今回は先手中飛車が▲６六銀型に構えてきた手に対し、ショーダンシステムはどう対応していくのがいいかみていきます。
上図以下
△６四歩▲２八玉 △５二金左 ▲３八銀
△６三金
先手の狙いとしては▲７七桂～▲６五桂～▲５五歩と攻めていく構想を描いています。
これは▲５六銀型では▲５五歩を放置されるためそこまで厳しくないのですが、▲６六銀型なら飛車のラインが通っているため有効となってきます。
そこで、後手は△６四歩から空いたスペースに左金を上げていって先手の攻めを金銀３枚のブロックで守ります。
上図以下
▲４六歩 △２四歩▲７七角 △２五歩
▲８六歩 △１三角▲４七銀 △２二飛
▲３八金 △３三桂
△２二飛では△２四角と端攻めを受けておくのも有力。
▲３八金で▲１五歩も考えられる手で、
△１五同歩▲１五同香△３三桂▲１三香成
△同香
と進んだ際に、角香交換で後手は駒損ですが先手玉の上部から攻めるシンプルな攻めを見込めるようになるため後手としてはむしろありがたいかもしれません。
上図以下
▲８五歩 △７四歩▲８八飛 △７二金
▲８四歩 △同 歩▲同 飛 △８三歩
▲８八飛 △２六歩▲同 歩 △同 飛
▲２七歩 △２一飛
▲８五歩と向かい飛車を視野に入れた手に対し△７四歩が大事な一手。
この手は▲７五銀の進出を防いでおり、棒銀調に一点突破される手を防いでいます。
以下はおたがい飛車先を交換して戦機を待ちます。
上図以下
▲５八金 △７三桂▲７五歩 △６五桂
▲６八角 △７五歩▲同 銀
▲５八金には△７九角成を狙って△４五歩と突きたくなりますが、▲５七銀が角のラインも通してぴったり。
後手は△７三桂～△６五桂と桂馬ジャンプと反撃含みに切り返していくのが有力です。
上図以下
△４五歩▲同 歩 △６八角成 ▲同 金
△４六歩▲３六銀 △４二玉
先手の銀が上ずったところで満を持して△４五歩。
放置もしにくい格好のため、勢い角交換になります。
△４六歩はいい利かしで、▲４六同銀には△２六歩が十字飛車をみて鋭い攻めとなります。
本譜は△４二玉と戦場から遠ざかるのが柔軟な対応です。
上図以下
▲６六銀 △７六歩▲５八金 △７七歩成
▲同 桂 △同桂成▲同 銀 △２四桂（結果図）
▲６六銀は
△７九角▲７八飛△６八角成▲同飛
△５七桂成
の強襲の防ぎ。
しかし、△７六歩のスローボールもいやらしい手で、次に歩成りをみて連結を乱そうとしています。
▲５八金は△７九角をかわした手ですが、桂交換から△２四桂がこれまた柔軟。
結果図は先手陣の急所に攻めが入っており、先手有利となります。
