今回も角換わりでの相右玉の一変化をみていきます。
なにげない８筋の歩交換なのですが、先手は戦いを起こすことが可能です。
△８六同飛以下
▲７五歩△８一飛▲７四歩△同銀▲５六角
△８一飛で７五同歩は
▲８四歩△同飛▲７五銀△８五飛
▲８四角△８三歩▲７三桂成△同玉
▲７六歩
で飛車取りがほぼ確約された格好となり先手良しとなります。
▲５六角以下
△６五桂▲７七桂△同桂成▲同銀
△７三歩
△７三歩で６五銀には▲８二歩がきくのが大きいです。
△同飛なら▲６五角～７四桂がありますし、飛車を横に逃げるのは▲８九飛が好便です。
上図では▲７二歩が手筋。
手抜きには
▲８二歩△同飛▲７四角△同歩
▲７一銀の攻めをみています。
▲７二歩以下
△７二同玉▲８四歩△８八歩▲６六銀
△６二玉▲７六桂△６三金▲８八金
▲８四歩に対して△８四同飛は▲７六桂が絶好となります。
△８八歩は飛車周りを阻止する手筋。
代えて△８二歩は屈服した格好なので辛いとみます。
△６二玉は次に飛車を走る手をみていますので、▲７六桂と先に打っておいて防いでおきます。
▲８八金と手を戻すのは悠長なようにみえますが、▲７五歩の狙いを持たせているため実は後手は急かされているのです。
▲８八金以下
△６五歩▲７五歩△８五銀▲６五角
△６四歩▲５六角△７六銀▲８三歩成
▲６五角では６五銀も有力で、
△７六銀▲同銀△８四飛▲８五歩の進行が考えられます。
結果図は一時的に駒損ですが、▲８二歩～７四歩の狙いがある先手に分のある形勢。相右玉では基本的に飛車先の歩交換はリスクが高いとみていいでしょう。
