上図は▲３五歩に代えて▲６八銀と指したところ。
▲３五歩は先手から動いていくのに対し、▲６八銀は後手の動きをみてから手を決める構想です。
▲６八銀以下
△４四歩▲６五角△５二飛▲２四歩
△同歩▲同飛△２三歩▲３四飛
△４四歩は左桂の活用を図った手。
対して▲６五角は積極的にとがめにいった手となります。
△５二飛では△５一飛が形ですが、▲３二角成～▲４二金が嫌なところ。
本譜は妥当な受けですが、先手は▲３四飛とどんどん攻めてきます。
▲３四飛以下
△４三角▲同角成△同金▲３五飛
△４五歩▲同銀△４二銀
△４三角から後手反撃開始。
先手の攻め駒を攻めて手を作っていきます。
△４五歩～△４二銀が大事な手順。
単に△４二銀ですと受け一方になります。
本譜△４二銀で△４五同桂も▲３一飛成でシビれます。
△４二銀以下
▲３四銀△同金▲同飛△４五銀
▲３五飛△３四歩▲１五飛△１四歩
▲１六飛
▲３四銀は取られそうな駒の活用で自然。
後手はしばらく飛車を追って有効な手を模索します。
▲１六飛以下
△５五角▲２二角△１二香▲７七桂
△１九角成▲３二金△５五馬
△５五角が絶好の角打ち。
先手は▲７七桂と玉側の香取りを防いで被害を最小限にとどめます。
▲２二角は香取りから▲１四飛を狙った手。
後手は△１二香と狙いを回避しますが、▲３二金とはりつかれて際どい攻防が続きます。
△５五馬以下
▲５三歩△同飛▲４二金△６四香
▲３五歩△５六銀▲５四歩△６七香成
▲同銀△同銀成▲同玉△５四飛
▲５九香
▲５三歩は駒の連結を崩す手筋。
▲３五歩は飛車の横利きを通して受けに利かします。
△６七香成から玉を引っ張り出されますが、▲５九香で際どく耐えています。
▲５九香以下
△４四飛▲４八金△４二飛▲３一角成
△５六歩▲６六銀△４五馬▲５六香
△４四飛は鋭い手。
先手は△４七飛成をくらってはたまらないので、△４二飛は甘受するよりありません。
▲５六香は△５七歩成の開き王手を消しており、必要な受けです。
▲５六香以下
△４四飛▲３七桂△３五馬▲３六歩
△２四馬▲６四歩△同歩▲５三馬
△４三歩▲４四馬△同歩▲４二飛(結果図)
▲３六歩が素朴ながらおおきな手で、馬を受けに利かないところへ追いやります。
難しい攻防が続きましたが、結果図は飛車を使った分かりやすい攻めが見込めて先手優勢です。
