上図は▲８二歩と変化したところ。
後手の好形を崩して手を作ろうという手です。
▲８二歩以下
△同 金
△８二同金以下
▲８七金 △７五飛 ▲３五飛 △７四飛
▲２三歩成△同 金 ▲６五桂 △３四歩
▲８七金は飛車に当てながら▲６五桂をみた手。
△７五飛は桂跳ねを牽制して冷静な飛車引きです。
▲３五飛は次に▲５三桂成から飛車を素抜く手がありますので、そこで△７四飛ともう１つ引くことになります。
▲６五桂と結局は跳ねられてしまいますが、後手は△３四歩と飛車の縦の利きを遮断して次に△８八角成を楽しみにします。
△３四歩以下
▲５三桂右成△同 銀▲同桂成 △同 玉
▲２二角成 △同 金
先手は飛車を逃げている余裕はないため、攻め込むよりありません。
桂２枚と銀１枚の交換で先手が損ですが、後手玉を露出させてどうかというところです。
△２二同金以下
▲８六角 △６四桂▲７五飛 △５二玉
▲８五飛 △８三歩▲７七角 △３三桂
部分的には▲７一角が王手金取りで厳しいですが、後手は金を取られても３五の飛車を取れば悪くありません。
本譜は▲８六角を利かして▲７五飛と飛車をぶつけてサバキを図ります。
△８四飛と逃げるのは▲８二歩と利かしていた効果で飛車が狭く、そうなれば先手がよさそう。
しかし、△５二玉が冷静な一手で、本手といえるでしょう。
△３三桂以下
▲７五銀 △９四飛 ▲９六歩 △６五桂
▲９五歩
先手は▲７五銀から飛車を取りにいってどうかですが、後手は△６五桂から攻めに転じるのがいい開き直りとなります。
▲９五歩以下
△７七桂成▲同 金 △４四角 ▲６八銀
△７四飛 ▲６六桂 △５六歩(結果図)
△４四角が攻防によく利いており絶好。
結果図は攻勢を続けられる後手が有利な展開です。
