今回は、勝ち抜きオールスター戦第３戦の観戦記をお送りします。
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【Twitter棋戦】勝ち抜きオールスターに参加します
【観戦記】勝ち抜きオールスター第１戦
【観戦記】勝ち抜きオールスター第２戦
先手：天ＧＡＭＩ 初段(パ・チーム２番手)
後手：コリラ 初段(セ・チーム２番手)
初手から以下
▲７六歩 △３四歩 ▲７五歩 △４二玉
▲６六歩 △６二銀 ▲７八飛 △６四歩
▲４八玉 △６三銀 ▲３八玉 △３二玉
▲２八玉 △４二銀 ▲３八銀 △３一金
▲１六歩 △１四歩 ▲６八銀 △６二飛
▲６七銀 △５四銀 ▲５八金左
戦型は先手の石田流に対して後手が右四間飛車エルモ囲いで対抗。
後手の陣形は、アマ強豪の鈴木肇氏が著した本でここ数年人気を博していますね。振り飛車を一刀両断！右四間飛車エルモ囲い (マイナビ将棋BOOKS)
先手の天ＧＡＭＩさんは前局では居飛車を指していたのですが、オールラウンダーなのですね。
後手のコリラさんとは桃影戦でご一緒したのですが、力戦の振り飛車党の印象があったため意表の戦型でした。
上図以下
△６五歩▲７四歩 △７二金 ▲７三歩成
△同 金▲６八飛 △６六歩 ▲同 銀
△６五歩が機敏な仕掛け。
△５一金とあえて寄らないことにより、７筋の反撃に備えています。
△７二金は受けの形ですが、攻め始めたところなので△７四同歩も有力でした。
上図以下
△６五銀 ▲同 銀 △８八角成 ▲同 飛
△６五飛 ▲６八飛 △６七歩 ▲同 飛
△同飛成 ▲同 金 △６九飛 ▲５八銀
△８九飛成 ▲７一飛 △４八銀 ▲６九歩
△４九銀不成▲同銀右
△６五銀は部分的には筋なのですが、７三の金が取り残されたまま戦いになってしまいますと金銀３枚の美濃囲いと２枚のエルモ囲いでの争いとなってしまうためリスクが高い手でした。
代えて△６五歩と打ち、次に△６四金から押さえ込みを図る手が優りました。
▲６五同銀あるいは▲８八同飛では、▲６三歩とたたいてみたいところ。
本譜なら△６七歩が好手で互角の戦いに。
５八の金をうわずらせたことにより、先手も２枚の囲いになってしまったというわけです。
上図以下
△４四角 ▲８一飛成 △９九龍 ▲４六桂
△１五歩 ▲３四桂 △１六歩▲１八歩
△１二香打
上図では私は△５五桂が第一感だったのですが、▲５六金とかわされてイマイチのようです。
ただし、△７五桂は有力だったようで、金取りをかわされても△９四角の遠見の角や△６八歩で攻勢が取れます。
攻めの棋風なら考えられる手順でした。
本譜は△４四角とじっと構える方針。
コリラさんが長考の末に指した手で、ＡＩも評価しています。
しかし、△９九竜では△９九角成と前手を生かして指すべきでした。
▲７七歩等と閉じ込められる手を気にしたかもしれませんが、６筋で香車が刺さる格好なので容易に脱出できました。
本譜では生角が残ってしまうのが辛い形です。
△１六歩あるいは△１二香打では、代えて△３三銀とがんばりたいところ。
「桂頭の銀、定跡なり」の格言に沿った手となります。
こうした攻めている途中で受けの手を指すのは流れとして見えにくいかもしれなせんが、▲４二桂成をかわして相手のいい流れを断つのが重要な局面でした。
上図以下
▲４二桂成 △同 金▲３一銀 △１七歩成
▲同 歩 △同香成▲同 香 △同香成
▲同 桂 △１六歩
▲４二桂成～▲３一銀が鋭い攻め。
後手は適当な受けがないため端から殺到していきますが、△１六歩の瞬間がぬるく先手は決めにいきたいところです。
上図以下
▲４二銀成 △同 玉 ▲５一角 △３二玉
▲３六香 △３五桂 ▲同 香 △同 角
▲３六香
▲４二銀成では▲３四香から詰みが生じていました。
本譜は詰みこそ逃してしまったものの、▲３六香が刺さって先手が勝ち筋に入っていることに変わりはありません。
上図以下
△１七歩成 ▲３八玉 △２七と▲４八玉
△３七と ▲５九玉 △４八銀▲同 銀
△同 と ▲同 玉 △３七銀▲同 玉
△２六金 ▲４八玉 △３六金
△１七歩成から後手の必死の抵抗が始まります。
△３六金と香車を取ることには成功しましたが、依然として先手が勝勢なことに変わりはありません。
上図以下
▲１五角成 △２六角 ▲同 馬 △同 金
▲３三歩 △２二玉 ▲２一龍 △同 玉
▲３二銀 △２二玉 ▲１四桂 △１三玉
▲３五角 △２四香 ▲２八銀 △３六桂
▲５九玉 △８八龍 ▲２二銀 △１四玉
まで112手で時間切れにより後手の勝ち
▲１五角成がつまづきの始まり。
▲３三銀～▲２一銀が運営のなぎささんが対局後に示した手順で、それなら詰みでした。
そして、▲２一竜は手が滑ってしまったか。
▲３一竜ならよかったのですが、本譜では竜を取られて明快な寄せがありません。
こうなってしまっては流れは完全に後手に。
コリラさんの大逆転勝利となりました。
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