今回は、2022年(令和4年)11月4日に行われた第16回朝日杯将棋オープン戦二次予選、中村太地七段対阿久津主税八段戦をハイライトでお送りします。
棋譜利用の許可を下さった主催者様に感謝申し上げます。
主催:朝日新聞社、日本将棋連盟
先手:中村太地七段
後手:阿久津主税八段
序盤戦
戦型は千日手局と同様に角換わりに。
先手の中村七段は早繰り銀から積極的に戦いを起こしました。
上図▲6八金では▲5八金右が多いところで、本譜はちょっとした趣向といえそうです。
中盤戦①
上図では▲7四歩~▲8三角とシンプルに馬を作りにいくのが有力でした。
本譜は▲1五歩から端を絡めて全局的な戦いに持ち込みましたが、直後の△8七歩からの玉頭攻めがうるさく後手が優位にたちました。
中盤戦②
上図は△7六歩と垂らして先手の左銀の退路をなくしたところ。
▲5六歩と逃げ道を作りましたがここは逸機。
代えて▲6三馬とすれば後手は金取りを受けにくく後手の優位を消せていたと思われます。
終盤戦
上図から△8七角~△8八歩が3手1組の厳しい攻めでした。
以下も先手は食いついていきましたが、後手は最後まで逆転を許さず阿久津八段の勝ちとなりました。
将棋盤
0手