【ハイライト】第16回朝日杯将棋オープン戦一次予選2ブロック西山ー川上

今回は、2022年(令和4年)7月29日に行われた第16回朝日杯将棋オープン戦一次予選2ブロック、西山朋佳 白玲・女王ー川上 猛 七段戦をハイライトでお送りします。
棋譜利用の許可を下さった主催者様に感謝申し上げます(2023年1月18日許諾済)。

主催:朝日新聞社、日本将棋連盟

先手:西山朋佳 白玲・女王
後手:川上 猛 七段

戦型は西山白玲女王が先手中飛車を採用したのに対し、川上七段は角交換で応じました。

先手は向かい飛車に振り直し、早い段階で▲8六歩と逆棒銀で仕掛けていきます。

上図は後手が鎖鎌銀を繰り出してきたところ。

ここで▲9六角が面白い攻め筋でした。
石田流の定跡にこういった角打ちはありますが、向かい飛車との組み合わせは珍しいと思います。

実戦は後手が受けずに△4五桂と跳ねたため、我が道を行く展開となりました。

後手にあえて成銀を引かせていって先手が角成りの調子を得て上図。

ここでは△6三角と打っていれば▲5二馬と▲8一飛成を一度に受けることができて後手に分のある形勢でした。
本譜は△5一金引としてしまったため、▲5一同馬~▲8一飛成と先手で攻める展開となり、先手が優位にたちました。

上図は▲2六桂に△4四成銀と受けたところ。

ここで
▲5二歩△4一金▲1四桂
が参考になる手順でした。
後手玉を狭めてから端攻めを決行するのが覚えておきたい感覚ですね。

先手が優勢を築いていましたが、▲2五銀は負けていれば敗着の一手でした。

△2八飛~△4五角が詰めろ逃れの詰めろとなっており、形勢逆転となりました。

少し進んで上図。
実戦は△5四玉とかわしましたが、▲3九金で飛車が詰んでしまいおかしくしました。

代えて△3五桂が次の一手のような手で、指せていれば先手は受けに困っていたでしょう。

仕切り直しとなりましたが、△5八香成が敗着。

▲5六金と打つことができ、以下は着実に寄せていった西山白玲女王の勝利。
終始見どころ満載の熱戦でした。

将棋盤

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