今回は、2022年(令和4年)8月22日に行われた第16回朝日杯将棋オープン戦一次予選2ブロック、西山朋佳 白玲・女王ー長岡裕也 六段戦をハイライトでお送りします。
棋譜利用の許可を下さった主催者様に感謝申し上げます。
主催:朝日新聞社、日本将棋連盟
先手:西山朋佳 白玲・女王
後手:長岡裕也 六段
西山白玲女王は前局で激戦の末川上七段に勝ち、本局に臨みます。
【ハイライト】第16回朝日杯将棋オープン戦一次予選西山ー川上 | つなよしのボードゲーム研究所 (tsunayosi.com)
戦型は先手中飛車に対して長岡六段が一直線穴熊を採用しました。
上図から△5四歩から角交換を迫って△6九角と打ったのが機敏な仕掛けでした。
ただし、形勢は互角の範疇です。
少し進んで上図。
ここで△6四飛がうまい手でした。
飛車交換になれば玉の堅さが生きるとみています。
実戦は▲6五銀と飛車交換を拒否しましたが、飛車先が重くなったことに満足して△8四飛と桂取りを防いで後手がペースを握りました。
先手は端を絡めてなんとか手を作ろうとしています。
上図から△2二飛は善悪はともかく香成りを防いで何もさせないという手。
かなり辛い手といえます。
かなり苦しい後手ですが、上図から▲6六歩が根性をみせた手。
△6六歩の分かりやすい攻めを消しており、簡単に土俵を割りません。
この粘りがドラマを生みます。
上図から△4四銀と銀取りから逃げたのが疑問。
▲5三桂成△2三金▲4三銀
と食いつくことに成功し、形勢は混沌としてきました。
激戦が続いていましたが、上図で▲4一飛と打ったのが敗着。
△2三金とかわされて先手は攻めが続かない格好となってしまい、長岡六段の勝利となりました。
西山白玲女王の終盤の追い上げが迫力あり、見ごたえ満点の熱戦でした。
将棋盤
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