【ハイライト】第16回朝日杯将棋オープン戦二次予選Gブロック・久保ー徳田戦

今回は、2022年(令和4年)11月22日に行われた第16回朝日杯将棋オープン戦二次予選、久保利明九段対徳田拳士四段戦をハイライトでお送りします。
棋譜利用の許可を下さった主催者様に感謝申し上げます。

主催:朝日新聞社、日本将棋連盟

先手:久保利明 九段
後手:徳田拳士 四段

戦型は久保九段の先手中飛車に対して徳田四段が銀対抗から雁木調に構える形で応じました。
後手陣は近年有力視されている指し方ですね。

▲7八飛と振り直したのが久保九段工夫の一手でした。

△6五銀左と積極的に仕掛けてきた手に対して、▲5七歩が渋い一着。

△5六銀のすり込みを消す、プロらしい一手ですね。

▲2六角の揺さぶりに△2四角と斬りあい辞さずの態度をとりましたが、これが疑問手だったようです。

▲7五歩と利きが薄くなったところから攻め、久保九段がリードしました。

上図は△7六銀打とゴツイ攻めを繰り出したところ。

ここで▲5八金が力強い受けでした。
美濃囲いが崩れてしまいますが、相手の攻めを受け止めきれれば指せるという明るい大局観です。

上図は△5二飛として次に△5五飛~△3九角を狙ったところ。

ここで▲4九銀打が鍛えの入った受けでした。
美濃の形を再生する、振り飛車党なら誰でも指がしなりそうな一手ですね。

先手好調でしたが、ここで久保九段にもミスが出ます。

上図から▲6九銀と竜の横利きを遮断しましたが、
△4九香成▲同銀△4七角
が鋭い踏み込みで、徳田四段が猛追してきました。

上図では代えて▲4一銀(金を取って受けに使う)や▲4四歩(場合によっては成り捨てて▲4八歩と受ける)と攻めながら受けをみるのが有力でした。

上図から
△2八銀打▲2六玉△5五馬
と進みましたが、▲3三成香が激痛で勝負あった。

代えて△4三金と取り、次に△2八銀打~△2四香をみればむしろ後手優勢でした。

終盤の徳田四段の追い上げも凄みがありましたが、要所での久保九段の受けが印象的な一局でした。

将棋盤

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