上図は美濃囲いに囲ってから△３二金と指したところ。
囲ってから攻めることにより、まったく違う展開になります。
△３二金以下
▲７七銀△５六歩▲同歩△同飛
▲５五歩△同飛▲同銀△同角
▲５五歩では▲６六銀も有力なところで、別投稿で掘り下げていきます。
本譜は飛車の退路をなくしましたが、△５五同飛からの強襲が定跡化された手順となります。
△５五同角以下
▲１八飛打△５六歩▲５八飛△２七銀
▲５六飛△７七角成▲同角△１八銀成
▲同香
▲１八飛打では▲１八飛も有力。
他にも▲２七飛打や▲３八飛打などの前例もありますが、いずれも本譜のように△５六歩の筋で後手が十分に戦えます。
△７七角成で単に△１八銀成だと▲５五飛とされて先手が十分となります。
▲１八同香以下
△２八飛▲５八金右△６五銀▲５五飛
△７六銀
飛車を打ちおろしてから△６五銀が露骨ながらうるさい攻め。
先手は受けが難しくなってきます。
△７六銀以下
▲５二銀△２九飛成▲６一銀成△同銀
▲５一飛成△７七銀成▲同桂△８九銀
▲６八玉
先手は▲５二銀から攻めあってどうかというところ。
しかし、▲５一飛成の瞬間に△７七銀成から猛攻を浴びます。
▲６八玉以下
△６九竜▲同玉△７八金▲５九玉
△１五角▲２六角△同角▲４九玉
△６八金▲同金△１五角打▲５八竜
△７八銀成(結果図)
△６九竜から▲５九玉と誘導させて△１五角が厳しい狙い。
ただし、▲２六角が詰めろ逃れの詰めろで粘られます。
先手は窮地を脱したかに見えましたが、△６八金～△７八銀成が妙手順で後手勝勢。
結果図以下、▲７八同金には
△５七歩▲同竜△４五桂
で受けが難しい格好です。
