【観戦記】勝ち抜きオールスター第15戦

今回は、勝ち抜きオールスター第15戦の観戦記をお送りします。

先手:moco 五段(パ・チーム8番手)
後手:asagao 五段(セ・チーム8番手)

初手から以下
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △6二銀
▲5八飛 △4二玉 ▲4八玉 △3四歩
▲5五歩 △5二金右▲3八玉 △3二玉
▲2八玉 △8五歩 ▲7七角 △7四歩
▲6八銀 △7三銀 ▲6六歩 △4二銀
▲3八銀 △4四歩 ▲6七銀 △4三銀


戦型は先手中飛車に対し、後手が雁木調の構えで対抗。
後手の有力策の1つとしてみられており、私も以前研究したことがあります。
先手中飛車対雁木 | とある岩手県民の将棋研究 (ameblo.jp)

上図以下
▲4六歩 △3三角 ▲1六歩 △1四歩
▲6五歩 △6二飛 ▲5六銀 △6四歩
▲同 歩 △同 銀 ▲6八飛


△3三角では△7五歩と積極的に仕掛けるのも有力でした。

本譜は▲6五歩に反応して△6二飛~△6四歩と6筋で反発。
▲6八飛は「戦いの起こる筋に飛車を振れ」に沿った手となります。

上図以下
△9四歩▲5八金左 △2二玉 ▲4七金
△3二金▲3六歩  △1二香 ▲3七桂
△1一玉


△9四歩で△2四角と牽制するのは、▲9五角と飛び出すのが気になるところ。
以下、
△6三飛▲6五歩△7三銀▲4七銀上
が想定された進行で、こうなれば押さえ込みが見込める先手有利です。

△2二玉では△7三桂と指していればまったく違った展開となり、asagao四段も局後に触れられていました。
本譜の雁木穴熊に組むのは一法ではありますが、先手から打開する手順があります。

上図以下
▲1五歩 △同 歩 ▲1三歩 △同 桂
▲4五歩 △同 歩 ▲同 桂 △2四角
▲5四歩 △4四歩 ▲5三歩成△6八角成
▲6二と △7七馬 ▲同 桂 △6二金
▲3三桂成


▲1五歩~▲1三歩が単純ながら有力な攻め筋。

△1三同桂は▲2五桂を嫌った手ですが、▲4五歩から逆サイドへ桂馬を跳ねるのがいい攻めになりました。

△2四角は飛車取りで斬りあい辞さずの手でしたが、△2二角と我慢したいところに思いました。
本譜は▲5四歩が絶好となり先手優勢となりました。

上図以下
△5三銀 ▲4一飛 △2一飛▲4三成桂
△同 金 ▲同飛成 △5四角 ▲3二角
△4三角 ▲同角成 △4二飛▲3三角
△2二桂 ▲4二角成 △同 銀 ▲同 馬
△5四角 ▲3二銀 △同 角▲同 馬
△5二金 ▲3一金 △同 飛 ▲同 馬
△2一金 ▲4一飛 △3一金▲同飛成
△2一銀 ▲6一飛 △5一歩 ▲3二銀

まで93手で先手の勝ち

△5三銀ではまだしも△3三同金と指すところに思いました。
▲3一飛には△2一桂、▲4二角には△3二金と受けておけば後手玉に早い寄りはありません。
そうなれば△1六歩と端から紛れを求める手が嫌らしいので、先手としても気持ち悪いところでした。

本譜は▲4一飛が激痛で、受けが利かない格好に。
焦らず着実に寄せていったmoco五段の制勝となりました。

これによりパ・チームが優勝に王手。
セ・チームは後がなくなりました。

将棋盤

 0

タイトルとURLをコピーしました