【観戦記】勝ち抜きオールスター第16戦(最終戦)

今回は、勝ち抜きオールスター戦第16戦をお送りします。
セ・チームからはいよいよ大将が登場します。

先手:moco 五段(パ・チーム8番手)
後手:マヨG 五段(セ・チーム9番手、大将)

初手から以下

▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩
▲7七角 △6二銀 ▲6八銀 △3四歩
▲5八飛 △4二玉 ▲4八玉 △7四歩


戦型は先手となったmoco五段が前局に続き中飛車を採用。

対してマヨG五段は後手超速を…ん?

上図以下
▲6六歩 △3二玉 ▲6七銀 △1四歩
▲3八玉 △6四歩 ▲5五歩 △6三銀


上図では▲2二角成~▲5五角が成立していました。
居玉ならそこで△7三銀で飛車銀両取りが防げるのですが、一手入っていることにより大きな被害をまぬがれないところでした。

ただし、先手も気づかず▲6六歩と指したため、なんとかことなきを得ました。

上図以下
▲5六銀 △7二飛 ▲4五銀 △7五歩
▲5四歩 △同 歩 ▲同 銀


先手は▲5六銀~▲4五銀と棒銀調に積極的に攻めていきます。

後手も負けじと△7二飛~△7五歩と応戦。
早くも両者の主張がぶつかりあいます。

上図以下
△5四同銀 ▲同 飛 △7六歩 ▲3四飛
△3三角▲6四飛 △6二歩 ▲6八角

△5四同銀では△6二金も有力でした。
▲5四同飛で飛車がさばけやすい格好になるため、銀交換は6三の地点でしてもらったほうがいいという考えです。

△7六歩は主張を通すためにも指したい手なのですが、△6三銀とやはり飛車の可動域を制限したほうがよかったかもしれません。
▲3四飛~6四飛が利かしになるのは大きく、先手がペースを握りました。

上図以下
△5五角 ▲6五飛 △5四銀 ▲8五飛
△7一金▲8三飛成 △6六角 ▲7二龍
△同 金 ▲3四飛 △3三歩 ▲5四飛

上図では次に▲8四飛を狙いを消すために△8二飛と指していればまだまだ戦える形勢でした。

本譜△5五角だと、▲6五飛に△5四銀と攻めに使いたい銀を角を守るために投資しなければならないのが辛いところです。

▲8三飛成と竜を作れたため成り駒を軸として攻めていくのかと思われましたが、あっさり▲7二竜と飛車交換して▲3四飛と王手銀取りで指せるとみたのは明るい大局観が伺えます。

上図以下
△9九角成▲5二銀 △4二金 ▲8六角
△4一香 ▲5三銀 △同 金 ▲同角成
△4二銀打▲4一銀不成 △同 玉 ▲5二金
△3二玉 ▲4二馬 △同 銀 ▲4一銀
△2二玉▲4二金 △1三玉 ▲3二銀成
△3四歩 ▲2六香 △2四歩 ▲5一飛成
△1二銀▲2二銀 △2三玉 ▲2一銀不成
△3五歩 ▲1二銀不成 △同 香 ▲4六桂
△6四飛▲2一龍 △2二銀 ▲同成銀
△同 馬 ▲3二銀 △1三玉 ▲2二龍
まで87手で先手の勝ち

上図で後手は粘るなら△5一歩ですが、反撃の糸口がないため指しにくい手でした。

本譜は▲5二銀が入って攻めが止まらない格好に。
以下も先手が手堅く寄せて、moco五段の勝利となりました。


これにより勝ち抜きオールスター戦はパ・チームが優勝。
私が所属したセ・チームが敗れてしまったのは残念ですが、楽しい一時を過ごすことができました。

将棋盤

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