【観戦記】変態vs王道棋戦2 第11戦

今回は、令和5年1月15日に行われた変態vs王道棋戦2・第11戦の観戦記をお送りします。
4連勝と絶好調のあんぱん三段。連勝を継続できるか‥

対局相手のなぎさシステム初段は本大会の主催者でもある方。
採用戦法は魔界四間飛車で、「3筋の金上がりにより相手の飛車を押さえ込む戦法です」と話されていました。


先手:あんぱん 三段(王道戦法チーム八将)
後手:なぎさシステム 初段(変態戦法チーム十将・指定戦法魔界四間飛車)

初手から以下

▲7六歩 △4二飛 ▲2六歩 △3二金
▲2五歩 △4四歩 ▲4八銀 △3四歩
▲6八玉 △3三金 ▲7八玉 △3五歩
▲5六歩 △3四金 ▲5八金右 △3三桂
▲5七銀 △5二金 ▲9六歩 △1四歩
▲1六歩 △1二香 ▲5五歩


毎局周到な用意をしてくるあんぱん三段。

本局も様々な局面を想定して臨みましたが‥

上図以下
△4一玉▲7七角 △3二玉 ▲5六銀
△6四歩▲8六角 △6三金 ▲6六歩
△6二飛▲5七金 △7四金 ▲6五歩
△4二銀▲6四歩 △同 金


△4一玉△3二玉が衝撃の構想。
玉は飛車の反対側に囲うのがセオリーなため、あんぱん三段も「序盤研究が全て無駄になりました笑」と局後に語られていました。

▲8六角から揺さぶって6筋に焦点を合わせたのはうまい構想。
▲6五歩も盲点になりそうな手で、先手のセンスが光ります。

上図以下
▲6八飛  △6三歩 ▲7七桂 △4五桂
▲5八金引 △3七桂成▲同 桂 △3六歩
▲6五歩  △7四金


▲6八飛の転回が継続の攻め。
後手は数の攻めに耐えられないため、△6三歩と低く受けるよりありません。

△4五桂は待望の反撃。
△3七桂成から成り捨てて先手に動きを催促します。

上図以下
▲7五歩  △8四金 ▲7六桂 △3七歩成
▲8四桂  △同 歩 ▲5四歩 △4三玉
▲5三歩成 △同 銀 ▲5五歩 △4五歩
▲7四歩  △同 歩


▲7五歩では単に▲5四歩と指してどうか。
取れば▲5三金とねじ込めますし、△3一角には▲5三歩成~▲5四歩が大きな楔となります。
本譜は金を追っていく展開を採用しましたが、△3七歩成が入って後手も楽しみがある進行になりました。

△4三玉は逸機で、シンプルに△5四同歩と応じてどうか。
▲7四歩△同歩▲5三金△7五桂
が想定される進行で、これなら後手も十分に戦えました。

▲5五歩では先に▲7四歩と突いて▲5四歩を狙うのも有力。
後手も△7四同歩では△5二歩と受ける手が考えられました。
下図では先手に次の一手のような手がありました。

上図以下
▲5三角成 △同 玉▲5四金  △5二玉
▲5三銀  △6一玉▲6二銀成 △同 銀
▲4一飛  △5一歩▲6四歩  △同 歩
▲同 飛  △7三銀打


▲5三角成の角切りが厳しい一着。

飛車を取るのが急所で、後手陣はまたたく間に危ない格好になりました。

飛車を逃げずの▲6三歩がチームメイトも絶賛していた寄せの好手。

以下は淀みなく後手玉に迫っていき、先手勝ちとなりました。
あんぱん三段はこれで5連勝。勢いが止まりません。

上図以下
▲6三歩 △7一銀 ▲4二飛成 △3三角
▲4三龍 △6四銀 ▲同 金 △5二角
▲6二銀 △同 銀 ▲同歩成 △同 玉
▲6三銀 △6一玉 ▲3四龍 △6六桂
▲8九玉 △9二飛 ▲3三龍 △4三桂
▲8三角 △7二銀 ▲6二金

まで99手で先手の勝ち

将棋盤

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