今回は、変態vs王道戦法棋戦3 第３戦の観戦記をお送りします。
本局は「稲庭右玉」使いが登場します。
先手：りゅうだもん 二段(変態戦法チーム九将)
後手：紳士なお新香 初段(王道戦法チーム先鋒)
初手から以下
▲５八金右 △８四歩 ▲６八金寄 △６二銀
▲７八金寄 △５二金右 ▲６八銀 △４二玉
▲７九角 △１四歩 ▲１六歩 △３二銀
▲４九玉 △５四歩 ▲５九銀 △５三銀
▲４八飛 △３一玉 ▲３八玉 △９四歩
▲９六歩 △３四歩 ▲４九飛 △３三角
▲５八銀 △４四歩 ▲４六歩 △４三金
▲５八金右～▲７八金寄が独特な動き。
▲５八銀で不思議な位置で美濃囲いが完成しました。
後手は手厚く囲って向かい撃ちます。
上図以下
▲４五歩 △同 歩 ▲同 飛 △４四歩
▲４九飛 △６四歩 ▲５六歩 △２四歩
▲３六歩 △２三銀 ▲２八銀 △２二玉
▲３七銀 △３二金 ▲３五歩 △同 歩
▲同 角 △３四歩 ▲７九角 △８五歩
▲４七銀 △８六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲８七歩 △８二飛
「こっちの序盤はめっちゃ怒られてます笑」とはりゅうだもん二段局後の弁。
「いやでも序盤どっから攻めればいいのかわからず、すごい変態具合で面白かったです」と紳士なお新香初段は返されていました。
先手は３、４筋で歩交換、後手は銀冠へ発展させて戦機を待ちます。
上図以下
▲４六銀右 △７四歩▲５七角 △５一角
▲５八金 △３三桂 ▲６六歩 △８四角
▲６七金右 △７三桂▲７六歩 △６二飛
▲６九飛 △４五歩 ▲３七銀 △４四銀
▲３六歩 △５二飛
△５一角～△８四角と角を転換したのは好ポジションで好感が持てます。
更に４筋で位をとって、後手が好調に思われましたが‥
上図以下
▲８六歩 △５五歩 ▲同 歩 △同 銀
▲５六歩 △４六歩 ▲同銀右 △同 銀
▲同 角
△５五歩でついに本格的な戦いに突入。
勢い銀交換になり、局面は緊張が高まります。
上図以下
△４五歩 ▲６四角 △６三歩 ▲４一銀
△５一飛 ▲３二銀成 △同 玉 ▲２八角
△４六銀 ▲同 銀 △同 歩 ▲同 角
△５八銀 ▲６八飛 △４七銀打▲２八玉
△６七銀成 ▲同 金
△４五歩では△４五銀とし、角が逃げたら△４六歩をみるのが優りました。
△６三歩と角を追った手には▲４一銀の割り打ちの銀を決めてから角を逃げるのがうまい呼吸でした。
後手も△５八銀～△４七銀打と先手玉に絡んでいき、接戦が続きます。
上図以下
△２五桂 ▲６二銀 △３六銀成 ▲５一銀不成
△４六成銀▲８二飛 △４二歩 ▲３八歩
△４四角 ▲４五歩 △同成銀 ▲５四銀
△５三金打▲４五銀 △３五角 ▲５七銀
上図から△２五桂としましたが、「自分の指した25の桂跳ね酷かったですね」と紳士なお新香初段は語られています。
りゅうだもん二段は「25桂馬のあたりはたぶん互角だと思いました。 あのあたり攻められて怖かったです」と話されていました。
▲６二銀周辺は両者熱心に検討されており、
「62銀が痛すぎて、りゅうだもんさんの玉が飛車も角も守りにきいてて、だいぶこっちが良くない気がしてましたね…」(紳士なお新香)
「ギリギリ凌ぐ感じの受けだったので攻め合って大丈夫か結構慎重に読みました。ソフト解析だと飛車逃げてまだ互角だったみたいです」(りゅうだもん)
「逃げ場所は52か41なんですかね？逃げる手も考えたんですけど、角、桂馬と銀の交換で持ち駒に金銀あっても厳しそうに思って指せなかったんですけど、そうなんすね…」(紳士なお新香)
「KENTO先生は21に隠居させてから猛烈に受ける手順を推奨してるので難しかったかもしれませんね」(りゅうだもん)
との感想を残されています。
上図以下
△１五歩 ▲４四歩 △同金右 ▲同 銀
△同 角 ▲４五歩 △３五角 ▲４四金
△３三銀 ▲２六金 △１六歩 ▲３五金
△１七歩成▲同 桂 △３五歩 ▲２五桂
△１九香成▲３三桂成 △２一玉 ▲４三金
△２九金 ▲３七玉 △３六香 ▲４七玉
まで139手で先手の勝ち
上図は先手優勢でしたが、△６五桂と指せばもう一勝負でした(△７三角と△５七桂成の両狙い)。
しかし、実戦は△１五歩と指したため、後手は反撃の好機を逃しました。
「寄せが下手で変な終盤になりました（猛省）」とりゅうだもん二段は語られていましたが、終始自玉とのバランスを保って安定した指しまわしをみせて勝ち切りました。
変態戦法チーム、初勝利です。
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