【観戦記】勝ち抜きオールスター第12戦

今回は、勝ち抜きオールスター第12戦をお送りします。

先手:まさあき迷人 四段
後手:Link0905 三段

初手から以下

▲7六歩 △3四歩 ▲1六歩 △4二飛
▲6八玉 △8八角成 ▲同 銀 △2二銀
▲4八銀 △3三銀 ▲7八玉 △6二玉

▲9六歩 △9四歩 ▲4六歩 △7二玉
▲4七銀 △6五角 ▲5六銀


▲1六歩は早速の変化球。
相手の応手によって指し手を変えようという狙いでしょう。

対するLink三段は、裏芸の角交換四間飛車を採用。
前局で上手くハマったので、連投したものと思われます。
【観戦記】勝ち抜きオールスター第11戦

上図以下
△7六角 ▲7七銀 △5四角 ▲6六歩
△4四歩 ▲5八金右 △8二玉 ▲8八玉
△7二銀 ▲7八金 △5二金左 ▲6五歩
△3五歩 ▲2六歩 △2二飛 ▲6六角
△4二飛 ▲6七金右

△7六角と筋違い角を打って一歩をかすめ取りにいったのが後手の趣向。
私なら△4四歩として▲5六銀と受けてきたなら△3五歩としてじっくり指すところでした。

本譜は先手が二枚銀で厚みを築いていく展開。
△5四角と一度費やしているのに角を攻められたら更にもう一手かけて引かなければならないのが後手としては辛いところです。

上図以下
△1二香 ▲2五歩 △1四歩▲7六銀

上図では△3六歩が嫌だったとはまさあき四段局後の弁。
▲3六同歩△同角と進めば次に角成りと△3八歩の狙いで十分戦えます。
先手が変化するとしたら△3六歩に▲3八飛くらいですが、それなら△4五歩と角銀交換覚悟の攻めを決行しやすくなります。
これなら確かに5四の角が生きた展開で、さすがのご指摘でした。

本譜は手を渡して先手に動いてもらう方針へ。
しかし、ここから思いもよらない進行になりました。

上図以下
△4三飛 ▲5五銀 △4二金 ▲2四歩
△同 銀 ▲4四銀 △同 飛▲同 角
△3三銀 ▲5五角 △3二角 ▲7四歩
△5四歩 ▲7三歩成 △同 銀▲6六角
△7四歩


△4三飛は敗着といってもいい一着。
いろいろ考えてしまった末の悪手です。
代えて△3二角なら互角と両対局者で話されていました。

本譜は▲5五銀で角が詰んでしまっているのが飛車上がりの功罪。
△4二金は角打ちの隙を消した手ですが、▲2四歩がそつのない利かし。
△2四同歩なら角を取って2三に打つスペースがあるのが大きいですし、△同銀には▲4四銀と今度は飛車を詰ます手が生じます。

△3二角と飛車成りを防いだのですが、▲7四歩のコビン攻めがうるさい。
この辺りは先手の指しまわしが冴え渡っています。

上図以下
▲2二歩 △5五銀 ▲7七角 △1三桂
▲2一歩成 △8四銀▲3一と △4三角
▲4一と △同 金 ▲2三飛成 △4二銀
▲1一飛 △2一歩▲1二飛成 △5二金右


▲2二歩が勝ちを急がない冷静な攻めで、飛車成りを確実なものとします。

受け一方では勝機がないとみた後手は、△8四銀と次に△7五歩をみせておどしにかかります。
しかし、二枚飛車の猛攻がなかなか反撃の機会をあたえてくれません。

上図以下
▲4五香 △2五角 ▲4二香成 △同金上
▲6一銀 △7五歩 ▲5二銀不成 △同 金
▲2五龍 △7六歩 ▲5二龍 △7二香
▲5五角 △同 歩 ▲7一銀 △7三玉
▲6二龍 △7四玉 ▲7二龍 △7三銀打
▲7五香 △同 銀 ▲8五金 △同 玉
▲8三龍 △8四銀引 ▲9七桂 △7五玉
▲6六金打

まで103手で先手の勝ち

▲4五香の田楽刺しが絶好の一手。
角のラインが通っているので△4四歩と打っても角を好位置に出す順しかないのが辛いところです。

本譜は狙いの△7五歩が指せましたが、時すでに遅し。
先手がたたみかけて一気に押しきりました。

まさあき四段の完勝に終わった本局。
次戦はいよいよ私の出番ですが、相手に臆すことなく自分らしい将棋が指せるようがんばります。

将棋盤

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