相掛かり棒銀対△3三角型②

今回は25手目▲1六歩の変化をみていきます。

①▲1六歩 初期によくみられた手
②▲5八金 じっくり囲う
③▲6六角 角交換を図る

この手は△3三角型が出てきた初期にみられた手。

有力ではありますが、不急の手として現在は他の手を優先することが多いです。

後手は△1四歩と受けても一局ですが、△4二玉と指してみたいところ。
以下、
▲1五歩△7四歩▲4五銀△7五歩
▲同歩△7三銀▲6八玉△7二金

先手は7筋を突き捨てさせて一時的に歩得しますが、後手は右銀を繰り出していけば歩を回収できる格好ですので駒得では優位にたてません。

△7二金では5二金のほうが玉のそばに金を寄っていてよさそうですが、将来的に▲7四歩と手筋で陣形を乱される手が嫌な手となります。

△7二金以下
▲5八金△2四歩▲3三角成△同桂
▲5六銀△6四銀▲8八銀△7五歩
▲同歩△同銀▲6六歩


△2四歩は次に2三銀と3四の歩を守る用意をしています。
守りを整えることにより、後手は右銀を繰り出す手を有効にしようとしています。

▲3三角成では6六歩と角道を止める手も考えられますが、本譜と同様の攻めをされて先手は角が負担となってしまいます。

▲6六歩は後手の銀がきいているところへ歩を突き出しているので違和感があるでしょうが、無条件で△7六歩とされては面白くありませんので最善手とみています。

ここでは2つの手が有力です。

①△6六同銀
②△8六歩

③△7六歩も自然な手にみえますが、▲6七銀~7七歩が先手の注文なので面白くないでしょう。


①△6六同銀から順にみていきます。

▲7六歩△5四飛▲4六角△7三角
▲7七銀△4六角▲同歩△7七銀成
▲同桂(結果図)


▲7六歩は銀挟みの手筋ですが、△5四飛と切り返して簡単には銀は捕まりません。

結果図(上図)はいい勝負。
△8四飛や△7三桂が有力です。

先手としては7六の歩は打たされた格好となっていますし歩損もしていますので苦労が多そうです。


次に②△8六歩をみていきます。

▲8六同歩△同銀▲8七歩△7七歩
▲同桂△7五銀▲4六角△6四歩
▲7六歩△同銀▲3六歩△4四歩
(結果図)

先手のお株を奪うように後手は銀を繰り出していきますが、攻めつぶそうとしているのではなく相手の陣形を崩す軽いジャブのようなものです。

▲4六角はあまり打ったかいがなさそうですが、単に▲7六歩では△6四銀と引かれる恐れがあります。

△4四歩まで進めばこれもいい勝負。
▲2四飛や▲3七桂、▲6五歩などが有力です。

再度いいますが、25手目▲1六歩は有力ながらも端歩を詰めている間に後手に先攻する猶予を与えてしまいますので見かけなくなりました。

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