上図は△５一飛で△３二金と変化したところ。
先手の飛車先を厚くし、容易には崩れない姿勢です。
△３二金以下
▲５五歩△７六飛▲７七銀△７四飛
後手が飛車を引かなかったところなので、▲５五歩と帰り道をなくしておくのが自然な手となります。
以下△７四飛までは一直線の進行でしょう。
△７四飛以下
▲６八金△６二銀▲９六歩△９四歩
▲５七金△８二玉▲６六金△７二金
▲６八金は上部を厚くした本手。
代えて▲５三角とした実戦もありますが、
△４四銀▲８六角成△５六歩
と進むと難解な形勢となります。
▲９六歩は長岡裕也先生が著した本での推奨手。
代えて単に▲５七金と上がるのも女流タイトル戦で複数局指されており有力です。
更に▲５六角とスマートに攻めるのもあるところで、この辺りは手が広いところです。
△７二金以下
▲５六角△４四飛▲５八金△４二金
▲６八金△５二金
▲５六角は感触がいいのでとりあえず打っておきたいところ。
▲５八金から互いに金を自玉に寄せていき、本格的な戦いに備えます。
△５二金以下▲３五歩△５一金▲２四歩△同歩▲４五銀△７四飛▲３四歩△４四銀▲同銀△同飛▲３五銀(結果図)先手は満を持して▲３五歩から動いていきます。後手としては取ると角を成られて困るので、放置するよりありません。▲２四歩では▲３四歩も有力なのですが、△３四同銀▲３五歩△３九角▲３八飛△６六角成▲同歩△４五金と粘る手段があってこわいところ。▲４五銀が着実な攻め。▲３五銀も方針を一貫しており、次に確実に▲２四飛と飛車を走る手をみせて先手十分です。
