今回は、変態vs王道戦法棋戦3 第17戦の観戦記をお送りします。
一進一退の攻防が続くチーム戦。
本局を制するのは‥
先手：まさあき迷人 四段(変態戦法チーム准将・指定戦法英春流)
後手：将棋好きのメガネ星人 三段(王道戦法チーム准将)
初手から以下
▲７六歩 △８四歩 ▲４八銀 △８五歩
▲７八金 △３四歩 ▲６九玉 △４二玉
▲６六歩 △７二銀 ▲７七角 △８三銀
▲５八金 △８四銀
先手は▲６六歩と角道を止めてじっくり指す方針。
対して後手は棒銀を採用し、積極的な姿勢をみせます。
上図以下
▲６七金右 △９四歩▲９六歩 △５二金右
▲８八銀 △３二銀▲５九角 △５四歩
▲５六歩 △４四歩▲５七銀 △４三金
▲７七桂
▲８八銀と低い構えで応じるのが先手の棒銀対策。
加えて▲７七桂と菊水矢倉を構築していきました。
上図以下
△３三玉▲３六歩 △３一角 ▲２六歩
△２二玉▲２五歩 △３三銀 ▲７九玉
△３二金▲８九玉 △６四角 ▲３七角
△４二角▲４六歩
上図では△３一玉～△３三角と指すのが普通だと思いますが、△３三玉～△３一角が面白い動きでした。
△６四角～△４二角と角の動きで手を渡すのも実戦的で、戦機を待ちます。
上図以下
△９五歩 ▲４五歩 △９六歩▲４四歩
△同 銀 ▲９八歩 △４五歩▲１六歩
△１四歩 ▲６五歩
△９五歩と端に手をつけてついに開戦。
取るよりないかと思われましたが、▲４五歩と戦線拡大を図りました。
上図以下
△３五歩▲同 歩 △３六歩 ▲２六角
△５三角▲５五歩 △同 歩 ▲３四歩
△３五銀▲１七角 △３四金 ▲６六銀
△３七歩成▲同 桂 △３六歩
後手は端はすでにポイントをあげたと判断して△３五歩から角頭攻めを展開。
力強い駒運びでこのまま後手が押し切るかと思われましたが‥
上図以下
▲４五桂 △同 金 ▲２四歩 △同 歩
▲２五歩 △３七歩成▲２九飛 △４七歩
▲５四歩 △４四角 ▲４六歩
▲４五桂と跳ねて捨ててから２筋で継ぎ歩攻めしたのが好感を持てる開き直りでした。
「途中までは自信あったのですが、▲5四歩に△4四角と逃げたのが悪かったですかね。▲4六歩から捌かせてしまいました」(メガネ星人四段)
「それでも、結構苦しかったです」(まさあき迷人四段)
と両者は振り返ります。
上図以下
△４六同金 ▲５五銀 △同 角▲３五角
△４四銀 ▲同 角 △同 角 ▲２四歩
△２八歩 ▲３四銀 △３一桂▲５九飛
△４八歩成 ▲４五歩
上図では△３六金と３五の銀が浮かないように工夫したかったところ。
本譜は▲５五銀がいい勝負手となり、形勢が縮まっていきます。
▲３四銀 △３一桂の交換も気合いが通った格好。
まだ先手大変ですが、まさあき迷人四段の勝負術が発揮されつつあります。
上図以下
△５九と▲４四歩 △１二角 ▲２三銀打
△同 桂▲４三歩成 △同 金 ▲同銀成
△５八と▲５五角 △１三玉 ▲２三歩成
上図では角を逃げるのも有力でしたが、勢い飛車角交換に。
△１二角と受けましたが、ここは勢いそのままに△３八飛を打ってみたいところでした。
先手は▲５五角と天王山に角を打て、激戦の様相を呈してきました。
上図以下
△２三同角▲４六角 △２二玉 ▲７九金打
△４九飛 ▲５五角 △３三歩 ▲２四歩
△６七角成▲同 金 △４三飛成 ▲３五桂
△４九龍 ▲２三歩成 △３一玉
「同角が大悪手でした・・・」とメガネ星人四段が語るように、上図では△２三同玉としたいところでした。
▲４六角の金を取った手が先手で入っては先手が優勢に。
まさあき迷人四段の粘りが実ったかと思われましたが‥
上図以下
▲５三歩成 △７八銀▲同 玉 △６九銀
▲８九玉 △７八金▲同 金 △同銀成
▲同 玉 △６九龍
まで128手で後手の勝ち
上図では▲８五桂と自玉の懐を広げていれば先手勝勢でした。
本譜は△７八銀以下先手玉はトン死に。
二転三転の将棋をメガネ星人四段が制し、王道戦法チームが再びリードとなりました。
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