今回は、勝ち抜きオールスター第13戦の自戦記をお送りします。
先手：つなよし (セ・チーム７番手)
後手：まさあき迷人 四段(パ・チーム７番手)
初手から以下
▲４八銀 △３四歩 ▲９六歩 △９四歩
▲７六歩 △４四歩 ▲４六歩 △４二飛
▲４七銀 △４五歩 ▲同 歩 △同 飛
▲５六銀 △４二飛
戦型はこちらの右四間飛車に対して後手が四間飛車を採用。
まさあき四段は前局では居飛車を採用されていましたが、オールラウンダーのようでしたので予想の範囲内でした。
しかし、△４五歩と早々に仕掛けてきたのは意外。
じっくり指す本格派の印象を受けていたので、乱戦になりやすい歩突きは想定していませんでした。
上図以下
▲４四歩 △同 角 ▲同 角 △同 飛
▲８八角 △３三角 ▲４四角 △同 角
▲８八銀 △２四角
▲４四歩は１つの筋ですが、あっさり△同角と取られて変調でした。
実のところ右四間飛車は後手番を想定して研究していたので△６二玉の一手が入っていると錯覚してしまいました。
上記の一手が入っていれば、▲８八銀では▲４三飛でむしろ先手持ちとなっていたところです。
上図以下
▲５八飛打 △３三桂 ▲７七銀 △４二銀
▲４八飛右 △３五角右 ▲６六銀 △５四歩
▲６五銀右 △６二玉
▲５八飛打では▲５八飛が優っていたようですが、△５七角成~△８八角成を覚悟しなければならないためやりにくいところでした。
▲６五銀右と歩を取りにいきますよと軽い揺さぶりをかけましたが、△６二玉と堂々と指されて懐の深さを感じました。
上図以下
▲３六歩 △４六角 ▲１八飛 △７二玉
▲４八金 △５三銀 ▲４七金 △１五角
▲６八玉 △４五歩 ▲１六歩 △２四角左
▲２六歩 △５五角
私は調子の良し悪しの波が激しいタイプのようで、言い訳になってしまいますがこの日の調子は悪いと感じていました。
▲３六歩は△５三角と引かせようという意味でしたが、△４六角が当然ながら対局時はまったく見えていませんでした。
やってしまったからには仕方なく、角をいじめるプランに持ち込むよりありません。
明らかにこちらの指し手がおかしいですが、まさあき四段は自分が指しにくいと感じていたようで△５五角は勝負手だったようです。
上図以下
▲５六金 △４六歩 ▲４八飛右 △６六角
▲同 歩 △４七銀 ▲４六金 △５八銀成
▲同 金 △３九飛 ▲４九歩 △４五歩
▲５六金 △２九飛成 ▲４三角 △５五歩
▲同 金
▲５六金は△４六歩を緩和した手ですが、それでも歩を突いてこられて困ってしまいました。
代えて▲５五同銀とし、次に▲２五歩と後手の角へ働きかけて△４六歩は緩和すべきでした。
本譜は角銀交換で一時的に先手が駒得しましたが、△４七銀で飛車を取られるのが確定して悪くしてしまいました。
飛車を打たれても底歩が利くのでまだ戦えると思っていましたが、次の手が厳しすぎました。
上図以下
△４六桂 ▲５九金 △３八桂成 ▲４七飛
△２八龍 ▲５八銀 △５二金左 ▲３四角成
△３七成桂 ▲同 飛 △同 龍 ▲２三馬
△４六角 ▲３三馬
△４六桂が絶好の手で、まさあき四段も「気持ちがよかったです」と振り返っていました。
△３八桂成から飛車が詰んでしまい、二枚飛車の序盤戦だったのに２枚とも取られてしまってすでに敗勢です。
上図以下
△８八飛 ▲７八桂 △８九飛成 ▲６九桂
△９九龍 ▲４五金 △３六龍 ▲４六金
△３三龍 ▲７五歩 △７九角 ▲６七玉
△３七龍 ▲４七金 △５五桂 ▲７六玉
△４七桂成 ▲７四歩 △９六龍 ▲８六桂
△８八角成 ▲６七玉 △８七龍 ▲７七角
△７八馬
まで104手で後手の勝ち
△８八飛に対する気の利いた受けがなく、以下は一方的な展開に。
白星をあげることなく本大会を終えてしまったのは残念ですが、あとはチームのエース２人を託します。
0手
