【自戦記】第11回菅原鉄工所杯新春将棋大会・1回戦

今回から、令和5年1月7日に岩手県滝沢市にあるいわて将棋館で行われた第11回菅原鉄工所杯新春将棋大会の自戦記を書いていきます。

参加者数は15名、クラス分けはなく、3級~五段と幅広い棋力のかたが参戦されました。
本大会では4回戦行って優勝を争いました。

ここからは1回戦の自戦記を載せていきます。

先手:つなよし
後手:H(拳) 三段

初手から以下
▲4八銀 △8四歩 ▲7八金 △8五歩
▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三角
▲9六歩 △4二銀 ▲5六歩 △3二金
▲5七銀 △6二銀 ▲6九玉 △6四歩
▲7六歩 △6三銀 ▲5五歩


H三段は県外在住の大学生。
今回は帰省中での大会参加のようです。

前回対局した時はボコボコにされた記憶がありますので、リベンジに燃えました。

上図以下
△5四歩▲4六銀 △5五歩 ▲同 銀
△5二飛▲5八飛 △4一玉 ▲6八銀
△3一玉 ▲7九玉 △5三銀▲3六歩
△4四銀


△5四歩は若手らしい積極的な動き。
たがいに中飛車へ振って一触即発の形になっていきます。

△5三銀△4四銀は最も嫌な手順でしたが、AIの評価はイマイチのようです。

上図以下
▲4四同銀 △5八飛成 ▲同 金 △4四歩
▲3五歩  △4三銀  ▲3四歩 △1五角
▲1六歩  △2六角


▲4四同銀では▲5四歩も有力。
以下、
△5五銀▲同飛△同角▲同角
が想定された進行。
途中△5五同角で△5四銀には▲8五飛が好便となります。
本譜は後手良しと両対局者では見解が一致していましたが、AIの評価値では先手が少しいいとのことです。

△4三銀△1五角はひねった手順。
攻め合いを目指した手でしたが、△3九飛~△3五飛成と余しにいく順のほうが嫌でした。

上図以下
▲2四歩 △同 歩▲2三歩 △3九飛
▲5九歩 △5七歩▲同 金 △2九飛成
▲2二銀 △同 金▲同歩成 △同 玉


▲2四歩▲2三歩はこれしかないという手順。

△3九飛では△2三同金を対局中は気にしていましたが、「さすがに怖すぎますね‥」とH三段は語られていました。

△2九飛成ではいきなり△5九角成のほうが嫌でしたね。
本譜は一時の猶予を得たので▲2二銀から攻勢に出ました。

上図以下
▲4一飛  △5二金▲2三歩 △同 玉
▲2一飛成 △3四玉▲3六金 △5九角成
▲同 銀  △同 龍▲6九桂


▲4一飛は金取りと▲4二飛成、そして本譜の▲2三歩をみて受けにくい攻め。

後手玉を危険地帯の中段へ引っ張りだし、▲3六金と角切りを催促しながら上下での寄せのサンドイッチを築いていって手ごたえを感じました。

上図以下
△4八銀 ▲4六金上 △5七桂▲4五金直
△3三玉 ▲3一龍  △3二歩▲4四角
△同 銀


△4八銀は▲1五角の詰めろ竜取りを消した手とH三段。
対する▲4六金上では▲2二竜とすれば、▲2三角と▲5六角をみて必至だったようです。

本譜も先手に勝ちがありましたが‥

上図以下
▲4四同金 △同 玉 ▲7七角 △5四玉
▲5九角  △6九桂成▲同 玉 △5九銀成
▲同 玉  △5八歩 ▲6九玉 △5九歩成
▲同 玉  △2三角


▲4四同金では▲2二角から詰みが生じていました。
△2三玉には▲3四金が妙手順となりサンドイッチの完成です。

本譜は詰みが見えず、▲7七角から竜を抜く展開を採用して仕切り直しに。
△5八歩△5九歩成は時間稼ぎのテクニックですが、△2三角は攻めにあまり働いておらず再び好機が訪れたと感じていました。

上図以下
▲5五歩 △同 玉 ▲5六歩 △4四玉
▲5五銀 △5三玉 ▲4五桂 △同 角
▲同 金 △2六角 ▲6九玉 △5一金打
▲7一角

まで101手で先手の勝ち

▲5五歩▲5六歩は攻めの拠点を作る基本に忠実な寄せ。
△4四玉と引くくらいですが、後手玉は一時的ですが安全なので一歩一歩着実に寄せていき押し切ることができました。

初戦から大変な相手でしたが、斬りあいを制してうれしい大会初勝利を飾ることができました。

将棋盤

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