【観戦記】変態vs王道戦法棋戦3 第5戦

今回は、変態vs王道戦法棋戦3 第5戦の観戦記をお送りします。
本局では前大会で驚異の連勝をみせたモコナ初段が登場します。


先手:如月モコナ 初段(王道戦法チーム九将)
後手:りゅうだもん 二段(変態戦法チーム九将・指定戦法稲庭右玉)

初手から以下

▲2六歩 △5二金右 ▲4八銀 △4二金寄
▲5八金右 △3二金寄 ▲6八玉 △4二銀
▲7八銀 △3一角 ▲5六歩 △6一玉
▲5七銀 △6二飛 ▲9六歩 △9四歩
▲7九玉 △5一銀 ▲7六歩 △7二玉
▲7七角 △5二銀 ▲6六歩 △1四歩
▲1六歩 △6四歩 ▲6七金 △6五歩
▲同 歩 △同 飛 ▲6六歩 △6一飛
▲8六歩 △5四歩 ▲8七銀 △6三銀
▲7八金 △7四歩 ▲8八玉 △8二銀
▲4六歩 △7三銀 ▲2五歩 △7五歩
▲同 歩 △同 角 ▲7六歩 △3一角
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩


りゅうだもん二段は第3戦でみせた組み立てを本局でも採用。
モコナ初段も先鋒と同様に持久戦で応じました。

上図以下
▲2五飛 △5二金 ▲6五歩 △6四歩
▲同 歩 △同銀直 ▲3六歩 △6五歩
▲3七桂 △7四銀


▲2五飛と中段に飛車を据えたのが先手の工夫。

▲6五歩に対しては△6四歩とすぐさま位に反発。
▲3六歩は柔軟な構想で、私なら▲6六歩と謝ってしまっていますね。

上図以下
▲1五歩 △同 歩▲1三歩 △同 香
▲5五歩 △同 銀 ▲1五香 △1四歩
▲同 香 △同 香▲2四歩


▲1五歩と端を絡めて本格的な戦いに突入。

△5五同銀は危険な手で、▲1五香に代えて▲2四歩がありました。
以下
△2四同歩▲同飛△5三角▲1四歩
と進めば香得で大きく先手がリードしていました。

上図以下
△2二香 ▲2三歩成 △同 金 ▲1五歩
△2四金 ▲5五飛 △同 歩▲同 角
△7三桂 ▲1四歩 △5四歩


△2二香では△6六香と攻め合いなさいとAIは言っていました。
ただ、玉形に差があるのでやりにくい組み立てに感じます。

▲5五飛は初段とは思えない英断。
飛車をかわいがる私では指せなかったと思います。

上図以下
▲5三歩 △同 角 ▲6二歩 △同 飛
▲4五桂 △1七角成 ▲6四香 △6三銀
▲同香成 △同 金 ▲6四歩 △5五歩
▲6三歩成 △同 飛


上図では▲7七角と逃げたくなりますが、▲5三歩から角も見捨てて猛攻に踏み込みました。

飛車角を捨てても指せるという大局観は高段者の呼吸。
モコナさんは本当に初段ですか?

上図以下
▲5二銀 △6四飛 ▲6三金 △同 飛
▲同銀成 △同 玉▲6一飛 △6二金
▲2一飛成 △4四歩 ▲2二龍 △4五歩
▲2四龍


上図ではどう絡むか考えがいのある局面。
▲5二銀あるいは▲6三金で▲7四金も有力でした。

本譜も2筋にあった駒を回収していき持ち駒を補充。
このままゴールするかと思われましたが‥

上図以下
△3四飛▲2二龍 △7四歩 ▲3五香
△1四飛▲6四金 △同 飛 ▲3三香成
△7二玉▲4三成香 △5六歩


△3四飛はりゅうだもん二段執念の粘り。
ここにきてAIの最善と一致するのだから驚きです。

▲6四金はうっかりで、△6四同飛とタダで金を取られては変調です。
冷静になれればまだまだの将棋でしたが‥

上図以下
▲5三銀 △5五角 ▲7七桂打 △2二角
▲6二銀成 △同 飛▲5六銀 △6六歩
▲5七金 △6七銀 ▲5五歩 △7八銀成
▲同 銀 △6七金▲6五歩 △2八飛
▲6七銀引 △同歩成 ▲同 金 △6六歩
▲3九金 △6七歩成▲2八金 △7九銀
▲同 玉 △6八金 ▲8八玉 △7八金
▲8七玉 △8八金打▲9七玉 △7七と
▲6三銀 △同 飛 ▲3二飛 △6二歩
▲6一銀 △8二玉▲9八金 △同 金
▲同 香 △8七金

まで164手で後手の勝ち

▲5三銀では▲5六同銀と応じてどうだったか。
本譜は△5五角の王手竜取りが激痛になってしまいました。

それでも形勢は互角でしたが、▲6二銀成が敗着。
ここは飛車を取ってもうひと勝負でした。

以下は後手玉に厳しく迫る手段がなくなり、りゅうだもん二段が執念の逆転勝ちをおさめました。
しかし、モコナ初段十分に力を発揮され、見ごたえのある好局だったと思います。

将棋盤

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