上図は△3三桂と変化したところ。
△8七銀に次いでみかける手です。
△3三桂以下
▲8八飛△6七角成▲同金△7九飛
▲4八玉△8七歩▲5八飛△8九飛成
▲8八飛は▲8一飛成をみるのと同時に△8七銀を消して攻防にきいています。
代えて▲3六香なら古くからある定跡に進んでこれも有力。
人気将棋YouTuberが推奨するクロノ流▲8二歩なんてのもあります。
△6七角成で△7二銀と受けても、▲8二歩でヤブヘビ。
また、△2六飛は▲7七金がぴったりで先手良しとなります。本譜は角捨てから飛車打ちで手を作りにいきます。
▲4八玉では▲6九歩も有力。
△8七歩に▲同飛は△7八飛成で一気に後手に形勢が傾きます。
▲5八飛では▲6八飛も有力ですが、本譜のほうが6八に金を引けたり▲5九飛とさばいたりする手が指せるため優ると思います。
△8九飛成でまで後手調子がいいようにもみえますが、先に角をもらっているので先手はそこまで腹はたちません。
△8九飛成以下
▲7七角△4四桂▲3八玉△6九銀
▲4八飛△7八銀成▲5五角(結果図)
▲7七角では▲6六角も有力。
本譜はより自陣に利きを増やしています。
△4四桂と桂馬を手放したのをみて▲3八玉が格調高い一手。
桂馬を持たれている状態ですと△2六桂が厳しいところでした。
もし後手が桂馬を温存して受けてきたなら、▲3五香と足し算の攻めで攻めていけば十分でしょう。
△6九銀に▲4八飛と寄れるのが玉を寄った効果。
結果図は後手に有効な攻め筋はなく先手優勢。
△6九竜には▲6八歩と素朴に打っておけば大丈夫です。
逆に先手は▲3五香や▲8六香といった楽しみがあるため手に困りません。