今回は、令和5年2月3日に行われた変態vs王道戦法棋戦エキシビション・副将戦の観戦記をお送りします。
エキシビションはここまで変態チームが3勝1敗とリード。
王道戦法チームは勝ち越しが消えてしまいましたが、一矢報いたいところです。
先手:りゅうだもん 二段(変態戦法チーム副将・指定戦法穴角向かい飛車)
後手:頓死 二段(王道戦法チーム副将)
初手から以下
▲9八香 △8四歩 ▲9九角 △8五歩
▲8八飛 △3四歩 ▲4八玉 △4二玉
▲3八銀 △3二玉 ▲1六歩 △1四歩
▲3九玉 △5二金右 ▲9六歩 △6二銀
▲2六歩 △4四歩 ▲2七銀 △4三金
▲3六歩 △3三角 ▲3八金 △2二玉
▲3七桂 △3二銀 ▲2八玉 △5四歩
▲4六歩 △5三銀 ▲7八銀 △2四歩
▲7六歩 △2三銀 ▲9五歩 △3二金
▲6六歩 △6四銀 ▲6七銀
両対局者の本戦での戦いは以下を参照ください。
【観戦記】変態vs王道棋戦2 第6戦
【観戦記】変態vs王道棋戦2 第12戦
上図以下
△5五銀▲7七桂 △4六銀 ▲5八金
△5五銀▲6五歩 △4六銀 ▲8九飛
上図から△5五銀がいい揺さぶり。
片銀冠の急所をうまく突いています。
先手は一歩損を甘受。
後手は銀の上下運動で態度を保留しましたが、持ち歩を利用して△9四歩~△9七歩~△4二角と攻める筋は有力でした。
上図以下
△6四歩▲5六歩 △6五歩 ▲同 桂
△6二飛▲6六歩 △6四歩 ▲7三桂成
△同 桂▲4七歩
上図では△3七銀不成~△4五歩が有力。
後手は角のラインを通すのが好便となります。
本譜は△6四歩に▲5六歩とひねりましたが、単純に▲6四同歩としてどうだったか。
「桂馬の高跳び歩のえじき」の格言通り、桂馬を取り込まれては後手優勢といっていいでしょう。
上図以下
△3七銀成 ▲同 金 △6五歩 ▲同 歩
△同 桂 ▲6六歩 △5七桂成▲同 金
△4五桂 ▲5八金 △3七桂成▲同 玉
△5五歩
後手も銀がつかまってしまいましたが、△3七銀成から△4五桂が流れるような攻め。
先手玉をひきずりだすことに成功しました。
上図以下
▲2八玉 △4五歩 ▲3七桂 △4六歩
▲同 歩 △5六歩 ▲同 銀 △8六歩
▲同 歩 △8八歩 ▲6九飛 △6八歩
▲同 飛 △8九歩成▲7七角
先手は不利ながらも▲2八玉がいい粘り。
簡単に駒に当たらない格好に戻し、土俵を割りません。
後手は持ち歩を駆使して先手陣の攻略を図ります。
上図以下
△7九と ▲4五桂 △4四角▲5五銀打
△7八金 ▲6七飛 △7七金▲同 飛
△5五角 ▲同 銀 △7八と▲5七飛
△7九とでは△8七金と角を一手でつかまえるのが有力でした。
本譜は一手の差が大きく、先手が追い上げてきました。
上図以下
△5四歩 ▲同 銀 △同 金 ▲同 飛
△6八と ▲同 金 △7九角 ▲4四角
△1二玉 ▲6二角成 △6八角成▲5二飛成
△4六馬 ▲3七金
△5四歩が疑問手でついに逆転。
代えて△6八とから△7九角を狙うのが優りました。
実戦は一歩遅れて狙い筋を実行したため、先手に飛車を成り込める猶予を与えてしまいました。
上図以下
△4八銀 ▲4六金 △3七銀打 ▲1七玉
△4六銀成▲5五角 △4四歩 ▲同 馬
△3三桂打▲同桂成 △同 桂 ▲同 馬
△4二桂 ▲2二金 △1三玉 ▲2三金
△同 金 ▲2二銀
まで129手で先手の勝ち
△4八銀が攻めを急いだ敗着。
代えて△4二金打としていれば激戦が続いていたことでしょう。
本譜は▲1七玉と「銀冠の小部屋」が例にもれず寄せにくく、先手勝ちに。
変態戦法チームが4勝目をあげました。
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