今回は、令和5年2月5日に行われた変態vs王道棋戦2 第14戦の観戦記をお送りします。
ここまで7連勝と絶好調のあんぱん三段。
変態戦法チームはここから三段勢の登場で、好勝負が期待されます。
変態戦法チームからは「初手4八銀戦法」使いの登場です。
先手:あんぱん 三段(王道戦法チーム八将)
後手:ミサカ@▲4八銀 三段(変態戦法チーム七将・指定戦法初手▲4八銀戦法)
初手から以下
▲7六歩 △6二銀 ▲5六歩 △5四歩
▲5八飛 △3二銀 ▲5五歩 △同 歩
▲同 角 △5二金右 ▲4八玉 △3一角
▲3八玉 △8四歩 ▲2八玉 △1四歩
▲1六歩
「初手▲4八銀(2手目▽6二銀)から対振りは全部飯島流引き角にするスタイルですので変態性が薄いですが、飯島流も元々はB級戦法から発展したものなのでまぁ許容してください」 とはミカサ三段戦前の弁。
毎局対戦相手の棋譜等から作戦を練るあんぱん三段。
本局では中飛車を採用しました。
上図以下
△6四角 ▲同 角 △同 歩 ▲2二角
△1三香 ▲1五歩 △同 歩 ▲1二歩
△1六歩 ▲1一歩成 △1七歩成▲同 桂
△1六歩 ▲2五桂
△6四角と居玉で角交換を迫ったのは後手の趣向。
「7七桂と跳ねてきそうでしたが、角交換は予習していなさそうでしたので交換してそちらの勉強したであろう変化を外しました」と局後に語られていました。
先手は気合いで▲2二角と打ち込み、見たことがない変化に突入しました。
上図以下
△5七歩▲同 飛 △1七歩成 ▲3八玉
△2七と▲4八玉 △1九香成 ▲2一と
△5七歩が巧手。
先手はここも気合いで▲5七同飛と応じましたが、「叩きを取ってくださった手が助かりました」とミカサ三段は語ります。
本譜は△1七歩成に▲3八玉と逃げるよりないようでは(取るのは△3五角の筋がある)後手が一本取った格好です。
上図以下
△3四角▲3三桂成 △2一銀 ▲3四成桂
△2二銀▲5三歩 △同 銀 ▲7一角
△5六歩▲同 飛 △4五角
後手は優位にたちましたが、△3四角では単に△2一銀が優りました。
本譜は打ったばかりの角を取られて変調でした。
そして、▲5三歩~▲7一角が厳しい攻めで、今度は先手に形勢の針がふれました。
上図以下
▲5五飛 △3四角▲5三角成 △6七角成
▲6三桂 △同 金▲同 馬 △5二歩
▲5五飛では▲5三飛成とやってみたいところ。
本譜は△3四角でいきなり△6七角成と王手飛車をみる手もあり危険でした。
△5二歩では「直前で4二玉だったと後悔していました」とミサカ三段は語られています。
上図以下
▲5三歩 △6六馬 ▲5七銀 △5五馬
▲7二金 △同 飛 ▲同 馬 △3七と
▲5八玉 △4七と ▲同 玉 △3七飛
▲5八玉 △5七飛成▲同 玉 △5六香
▲6八玉 △5七金
まで76手で後手の勝ち
▲5三歩が敗着。
ここでは▲5三金や▲5三銀と詰めろで迫りたいところでした。
本譜は狙い筋だった△6六馬の王手飛車が刺さり勝負あり。
以下も危なげなく寄せきったミカサ三段の勝ちとなりました。
あんぱん三段の連勝もここでストップ。
ここからは両チームの総力戦が予想されます。
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