今回は、変態vs王道棋戦2 第20戦の観戦記をお送りします。
変態戦法チームが連勝により再びリード。
【観戦記】変態vs王道棋戦2 第18戦
【自戦記】変態vs王道棋戦2 第19戦
王道戦法チームはタイに戻せるか?
先手:たらこ 四段(変態戦法チーム五将・指定戦法初手5八玉戦法)
後手:Link0905 四段(王道戦法チーム四将)
初手から以下
▲5八玉 △3四歩 ▲3八金 △4四歩
▲7八金 △4二飛 ▲4八銀 △3二銀
▲9六歩 △9四歩 ▲7六歩 △1四歩
▲1六歩 △3三角 ▲2六歩 △4三銀
▲3六歩 △6二玉 ▲3七桂 △5二金左
▲4六歩 △7二玉 ▲6八銀 △8二玉
▲5六歩 △5四銀
上図以下
▲5七銀左 △6四歩 ▲4七金 △7二銀
▲5五歩 △6三銀引▲5六銀 △4三金
▲5七銀 △7四歩 ▲6六歩 △7三桂
▲7七桂 △5二飛
王道戦法チームのTwitter控室では、戦前に右玉か左玉へシフトするのではないかとみられていたのですが、▲5七銀左~▲4七金は意表の組み立て。
後手のLink四段も裏切られた展開かもしれません。
▲5五歩~▲5六銀と中央に位を取るのは力強い駒運び。
対振りで5筋の位を確保するのは「銀雲雀」と呼ぶようですね。
私も調べていて初めて知りました。
振り飛車としては△5二飛と位を逆襲したいところです。
上図以下
▲6五歩 △5四歩 ▲6六銀 △6五歩
▲同 桂 △同 桂 ▲同銀右 △6四歩
▲5四銀 △同 金 ▲同 歩 △同 銀
▲5五歩
▲6五歩から戦いのコングが鳴りました。
△5四歩は楽にはサバかせないぞという後手の意思が伝わる手。
ならばと▲6六銀と厚みで勝負します。
先手はその後▲5四銀と積極的に金駒の交換に迫り、リードを奪いにいきます。
上図以下
△6五銀 ▲同 銀 △同 歩▲6七歩
△6四桂 ▲4三金 △5一飛 ▲3三金
△同 桂 ▲4二角 △7三銀打
△6五銀では△6三銀も有力でしたが、本譜は前のめりな指し方。
逆に先手は▲6七歩と自重。
代えて▲6四桂と斬りあい辞さずで応じるのもありました。
上図以下
▲6八桂 △5六歩 ▲同 桂 △同 桂
▲同 金 △6四桂 ▲6五金 △7六桂
▲6八桂は前譜の▲6七歩同様受けの手。
代えて▲8五桂と反撃するのも有力でした。
後手は△5六歩と垂れ歩で対抗しますが先手はあっさり取り、手に乗って金を押し上げていきました。
上図以下
▲6六金 △8八桂成 ▲同 金 △3九角
▲3八飛 △4七銀 ▲6八玉 △3八銀成
▲9五歩 △4九飛 ▲7九歩
先手優勢か、と思われたところで▲6六金は敗着級の一手でした。
代えて▲9七角と角を逃げたいところです。
後手は△3九角~△4七銀が鋭い攻め。
飛車をもぎ取って一気に後手優勢になりました。
上図以下
△9五歩▲8六桂 △6五歩 ▲9四桂打
△同 香▲同 桂 △7一玉 ▲6四香
△6三桂▲6五金 △3七成銀
後手は焦る必要はないとみて、△9五歩からしばらく先手の面倒をみる展開に方針を切り替えます。
簡単には寄りがない格好にしてから△3七成銀と桂馬を回収し、次に△7六桂と打てれば激痛。
このまま後手勝ちかと思われましたが‥
上図以下
▲6二銀 △同 玉▲6三香成 △同 銀
▲5四桂 △5二玉 ▲3三角成 △7六香
▲4二馬
まで103手で先手の勝ち
▲6二銀と王手しますが、▲6三香成~▲5四桂くらいしか継続の手がなく辛い展開に変わりはありません。
△5二玉では△5四同銀のほうが分かりやすかったでしょうか。
本譜でも後手勝勢でしたが、△7六香が落手。
▲4二馬で一手トン死となってしまいました。
まさかまさかの大逆転劇で先手のたらこ四段の勝ちとなりました。
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