【観戦記】変態vs王道棋戦2 第17戦

王道戦法チームが連勝により一歩リードして第17戦。
変態戦法チームからはいよいよ四段勢の登場です。

変態戦法チームのたらこ四段は、「初手5八玉戦法」で本大会に臨みます。

先手:たらこ 四段(変態戦法チーム五将・指定戦法初手5八玉戦法)
後手:suimoku三段(王道戦法戦法チーム七将)

初手から以下

▲5八玉 △8四歩 ▲7八金 △8五歩
▲3八金 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲8七歩 △8二飛 ▲4八銀 △7二銀
▲2六歩 △8三銀 ▲2五歩 △3二金
▲7六歩 △8四銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲2六飛


先手の中住まいに対し、suimoku三段は棒銀を採用。

▲2六飛と中段に飛車を据えるのは棒銀対策の常套手段となります。

上図以下
△3四歩▲2二角成△同銀  ▲8八銀
△3三銀▲9六歩 △9四歩 ▲7七桂
△4一玉


△3四歩にすかさず角交換したのは▲8八銀▲7七桂の形に組みたいという意思の表れ。

これも棒銀に対する受けの常形とされています。

上図以下
▲8六歩 △4四銀 ▲8五歩 △同 銀
▲同 桂 △同 飛 ▲8七歩 △5二金
▲7七銀 △3三桂


▲8六歩は銀冠を目指した手に思われましたが、▲8五歩と自ら突っ込んでいったのには驚きました。
しかし、銀と桂歩の交換で釣り合いはとれており、AIの評価値も互角を示しています。

以下はどちらも明確な攻め筋が見えず、腹の探り合いとなりました。

上図以下
▲7五歩 △4二玉▲1六歩 △3五銀
▲6六飛 △7五飛▲8六飛 △8五歩
▲5六飛 △6五角


▲7五歩は飛車のラインをずらそうという手。
△4二玉は脇を閉めて攻めに備えており、この辺りは両者の工夫がみられます。

▲6六飛では単に▲8六飛と飛車交換を迫るのも有力でしたが、本譜は激しい戦いを避けました。

▲8六飛△8五歩と打たせて調子がよさそうですが、その後の飛車の移動先が難しいところ。
実戦は▲5六飛と逃げましたが、△6五角が激痛。
更に飛車を逃げると△4六桂の王手金取りが刺さるため先手は困っています。

上図以下
▲6六銀打 △5六角 ▲同 歩 △7四飛
▲6五角  △8九飛 ▲7四角 △同 歩
▲7九飛  △同飛成 ▲同 金


▲6六銀打は根性をみせた手。
▲5六同歩では本来▲7五銀と取りたいのですが、△4六桂の筋が残っているためじっと我慢です。

後手は好調の指しまわしが続いていましたが、△8九飛は攻め急ぎでした。
後手陣は飛車打ちにあまり強くない格好のため、△8四飛と飛車取りを回避しておきたいところでした。
評価値としてもここで後手優勢から互角にまでもつれこんでいます。

上図以下
△7三桂▲7一飛 △4五桂 ▲7三飛成
△6四桂▲6八桂 △8六歩 ▲同 歩
△7五歩▲7二龍 △7六歩 ▲8八銀
△4四角▲5五歩 △5四歩


△7三桂が本局での敗着。
代えて△2六飛と先手の歩切れを突いた攻めが有力でした。
先手は▲3九金と受けるくらいですが、△2七桂から手が続きます。

本譜は先手だけ飛車を打ち込める展開になり、一気に先手優勢に。
後手は△5四歩と紛れを求めましたが‥

上図から▲5四同歩と応じたのが勝着といっていいでしょう。
後手の攻めを鋭くしてしまいますが、先手のパンチのほうが厳しいと判断した英断でした。

以下も淀みない寄せでたらこ四段の勝利。
両チームの一進一退の戦いが続きます。

上図以下
▲5四同歩 △5七歩 ▲同銀上 △同桂成
▲同 銀  △7七銀 ▲4五桂 △6八銀成
▲同 金  △8九飛 ▲5三角 △同 角
▲同歩成  △3一玉 ▲6一龍 △5一歩
▲7九銀打 △7七歩成▲同 金 △6五桂
▲5二と  △5七桂成▲同 玉 △8四角
▲6六角  △5六銀 ▲4八玉 △6六角
▲同 歩  △5七角 ▲5八玉 △4五銀
▲5一龍  △2二玉 ▲2五桂 △2四歩
▲4二と  △7九角成▲3二と △2三玉
▲2一龍

まで119手で先手の勝ち

将棋盤

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