今回は、変態vs王道戦法棋戦3 第16戦の観戦記をお送りします。
本局では「英春流」使いが登場します。
先手:Link0905 四段(王道戦法チーム・四将)
後手:まさあき迷人 四段(変態戦法チーム・准将)
初手から以下
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △5四歩
▲6八銀 △6二銀 ▲6七銀 △5三銀
▲6八飛 △5五歩 ▲4八玉 △5四銀
▲5八金左 △4二銀 ▲3八玉 △5三銀
上図以下
▲7八飛 △4四銀 ▲7五歩 △5二飛
▲7六飛 △4五銀右 ▲6五歩 △5四飛
後手が中央に二枚銀を据えたのに対し、先手は▲7八飛から石田流へ転換。
形とばかりに△5四飛と指しましたが、これは危険な一手。
先手は大きなチャンスを迎えています。
上図以下
▲4六歩 △8四飛 ▲8六歩 △5四銀
▲7七桂 △6四歩 ▲8五歩 △9四飛
▲7四歩 △同 歩 ▲6四歩 △7五歩
▲同 飛 △6四飛
▲4六歩の一手で銀が詰んでしまっているのが後手の誤算でした。
しかし、▲8六歩では▲4五歩と強く取りたかったところで、
「普通に銀を取っておいたら、先手の圧勝と思ったのですが」
「あそこで投了しようかと本気で思ってました」
とまさあき四段は振り返ります。
「普通に見返すと、竜作られても78飛や44歩で十分でしたか」
とLink四段も同意されていました。
本譜はうまくかわされた格好で、先手は好機を生かせなかったといえます。
上図以下
▲6六歩 △3一角▲9六歩 △6三銀
▲9七角 △5四飛 ▲6五飛 △9七角成
▲6三飛成 △5三馬▲同 龍 △同 銀
上図では▲6五歩がまず思い浮かぶ手で、▲6六歩と控えて歩を打ったのは意外でした。
△9七角成に対して馬を取らずに▲6三飛成と強く応じましたが、△5三馬がぴったり。
「ここら辺からこちらが有利になってる気がします」
とまさあき四段は語っています。
上図以下
▲6五桂 △6二銀▲4五角 △6三角
▲5四角 △同 角▲2二飛 △3二角
▲2一飛成 △同 角 ▲3三桂 △8九飛
▲5三銀
上図では単に▲4五角と絡んでどうだったか。
本譜同様に△6三角と受けてくれたら▲6五銀がうるさい攻めとなります。
本譜は
「22飛からの桂打ちが雑すぎました」
とLink四段が語るように、下図では後手にうまい受けがあります。
上図以下
△6五角▲同 歩 △5三銀 ▲4一桂成
△同 玉▲4八金寄 △3五桂 ▲6三角
△5二金▲8一角成 △4七銀 ▲2八玉
△4八銀成 ▲同 金 △6九飛打 ▲3八金
△4七金▲1六歩 △2五桂 ▲3三桂
△3一玉▲4一金 △2二玉 ▲1八玉
△3三玉
まで88手で後手の勝ち
△6五角と攻めの主軸となっている桂馬を抜き取るのが絶好の一手でした。
「65角が王手になるのをうっかりしてました……」(Link四段)
「65角でなんとなく、優勢になった手応えが有りました」(まさあき四段)
と両者も振り返ります。
以下は相手の攻めを見切りながら着実に寄せていったまさあき四段の勝利。
序盤こそ先手にチャンスがあったものの、中盤以降は後手の受けの強さが光った一局となりました。
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