Alpha zero流相掛かりー△3六飛の変化①

今回からAlpha zero(アルファゼロ)流相掛かりを研究していきたいと思います。

Alpha zeroが上図の先手陣を採用していたことからこう呼ばれるようになり2019年・2020年にプロ棋戦でも盛んに指されました。

飛車先は▲9六歩でカバーし、▲8七歩を保留。
加えて▲3七桂と桂を跳ねることにより、スピーディーな攻めを狙っています。

△9四歩に代えて△1四歩でも先手は同様の形へ誘導することができます。


▲3七桂以下
△3六飛▲8二歩△9三桂▲8一歩成△同銀


△3六飛はプロ棋士ですと飯島栄治先生、AIですと技巧が採用したことのある手となります。
代えて△8七歩なども考えられるところです。

▲8二歩は▲8七歩を保留していたからこそ打てる歩で、後手の飛車が8筋から外れたら真っ先に読んでみたい手となります。

ただし△9三桂と逃げられるのが△9四歩型の恩恵で、先手は戻って▲8二歩で▲2四歩などと変化するのも有力です。

本譜は一歩を犠牲にして後手陣を崩し、どれだけ手が作れるかというところです。

△8一同銀以下
▲2四歩△同歩▲同飛△3四歩
▲2五飛

先手は歩切れになっていましたが、▲2四歩から飛車を活用しつつ歩を補充できるのでさほど気になりません。

△3四歩は▲8四飛を防ぎつつ角のラインを通した手。
ならばと先手は▲2五飛と引いて応戦します。

▲2五飛以下
△7二銀▲9五歩△同歩▲9四歩
△9六歩▲7六歩

△7二銀は自陣を整えた本手。
代えて△3五飛と指した前例もあるので別投稿で掘り下げます。

先手は▲9五歩と桂頭を攻めていってどうか。

後手は△9六歩と飛車の橫利きを生かして受けてきます。

△9六歩以下
▲7六歩△2七歩▲9三歩成△同香
▲3九金△3三桂▲7五飛△2六飛
▲2九銀(結果図)

▲7六歩では▲9三歩成も有力。
以下
△8七歩▲同金△8六歩▲7六金
△8七歩成▲8二と
と進んでどうか。
角を取られても、と金を潜り込ませて銀桂を取れることは確実なので五分とみます。

本譜は角道を開けることにより角頭攻めを緩和。

△2七歩は横歩取りでよく出てくる攻め筋で、先手は歩切れなのでより効果的になっています。

▲9三歩成に対して△2八歩成ははっきり一手遅いうえに先に桂損までしているのでさすがに無理筋。
△9三同香としてと金をはらっておくところでしょう。

結果図は互角の形勢。

先手が▲7五飛ではなく▲9五飛としていたなら
△2八歩成▲同金△同飛成▲同銀
△8五金
で後手が有利となります。

飛車が7五にいますと詰ます筋はないのですが、△2五桂と積極的に攻めたり△8四歩を渋く歩を打って飛車寄りを消したりしていい勝負となります。

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