上図は△8二飛と飛車を引いたところ。
青野流対策として近年盛んに指されている手で、有力視されている手の1つです。
△8二飛以下
▲3六歩△2六歩
▲3六歩では▲3六飛も有力ですが、青野流の攻撃性が落ちますので少し悔しいところです。
△2六歩は飯島栄治先生が数局指している手。
最近(2022年)では阿久津主税先生が連採されています。
△2六歩以下
▲2八歩△2二銀▲8七歩△4二玉
▲3七桂△6二銀▲3八銀
上図は手の広い局面で、▲8三歩や▲3七桂、▲3八金や▲3七銀の前例もあります。
本譜▲2八歩は丸山忠久先生が実戦で指されたことがある手。
歩成りを手堅く消した手ですが、▲2二歩などと攻められなくなるので一長一短です。
▲8七歩は△8八角成~△4四角を緩和しており、▲2八歩と方針は一貫されています。
打たない変化は飯島先生の本に詳しく書かれています。
▲3八銀以下
△2七歩成▲同銀△8八角成▲同銀
△4四角▲7七角△3三銀▲4四角
△同銀
△2七歩成は先手の態度を聞いた手で、▲2八同歩なら角交換した後に△2八角と打ち込むことができます。
本譜は狙い筋の△4四角を決行。
先手は角を合わせて対抗し、飛車を詰まされる筋を回避します。
△4四銀以下
▲3八銀△3三金▲1五角△1四歩
▲3三角成△同銀▲3五飛△2三歩(結果図)
▲3八銀で▲2四飛は、△2三歩と打たれた時に飛車の逃げ場所が悩ましいです。
▲2六飛と逃げると、△1五角が刺さります。
本譜は△3三金に対して逆に先手から▲1五角と打って切り返します。
結果図は角金交換ながら後手は歩切れで互角の形勢。
しかし、先手は好んで飛び込む変化ではない印象を受けます。