今回は、2022年(令和4年)11月20日に行われた第52回全国支部対抗戦岩手県予選を振り返ります。
決勝トーナメント – 日本将棋連盟 岩手県支部連合会 児童普及部公式ホームページ (jimdofree.com)
岩手県は全19支部を擁しており、本大会には12支部が参加。
3人1組での団体戦で、優勝チームは来春行われる予定の東日本大会に出場する権利を得ます。
ここからは決勝トーナメント1回戦先鋒戦の自戦記をお送りします。
先手:つなよし
後手:U内 三段
初手から以下
▲4八銀△8四歩▲7八金△8五歩
▲2六歩△8六歩▲同 歩△同 飛
▲8七歩△8四飛▲2五歩△3二金
▲9六歩△9四歩▲5六歩△7二銀
▲5七銀△5二玉▲7六歩△7四歩
▲5五歩△7三銀▲5六銀
戦型は最近好んで指している5筋位取りを採用。
後手は中住まいに構えたため、この時点で早い仕掛けが想定されました。
上図以下
△7五歩▲同 歩△6四銀▲6六角
△7四歩▲同 歩△同 飛▲7七歩
△1四歩▲2四歩△同 歩▲同 飛
△2三歩▲2六飛△6二金▲6九玉
△3四歩
△7五歩は軽いジャブ。
ただし、△7四歩の合わせ歩は意表を突かれました。
▲7七歩では▲6九玉と持ち歩を温存して▲2四歩~▲2五歩を狙うのも有力でしたが、本譜は手堅く指す方針でいきました。
上図以下
▲3六飛△3三金▲6八銀△1三角
▲2六飛△7三桂▲1六歩△6五銀
▲3六飛では単に▲6八銀も有力。
△1三角では△4四金と力強く指される手が対局中は気になっており、実際のところAIも△4四金が最善とみているようです。
▲1六歩と端角に軽く働きかけた手に対し、△6五銀と動いてきました。
上図以下
▲3九角△6四歩▲1七桂△3五角
▲3六飛△5六銀▲同 飛△6五歩
▲3九角では▲6五同銀~▲5八金と受けるのも有力。
本譜は銀を取ってくださいという手が続き、しびれを切らした後手が△5六銀として気合いとしてはこちらが制した格好となりました。
上図以下
▲5四歩△6六歩▲5三歩成△同 金
▲6六飛△6五銀▲8六飛 △8五歩
▲3六飛△4四飛
▲5四歩が我ながら会心の一手。
△5四同歩には▲7五銀、△同飛なら飛車交換に分のある先手がよくなります。
△6六歩は読みに入っていなかった手で、指されてみればなるほどという手でした。
▲6六飛では▲6六角と強気に応じ、△6五銀の飛車角両取りには▲7五銀と返し技で戦うのもありました。
本譜は飛車の動きで後手の持ち駒を削っていく方針です。
上図以下
▲4六銀△2四角▲2五桂△3二金
▲5八金△7四飛▲4五銀
▲4六銀では飛車成りを受けずに▲6六歩もあったようです。
▲4五銀は次こそ▲6六歩を指そうという手でしたが、ここから意外な展開に進んでいきます。
上図以下
△6八角成▲同金右△3五銀▲5四歩
△同 金 ▲同 銀△同 飛▲5三歩
△同 玉 ▲5五歩△7四飛▲5四金
△4二玉
△6八角成~△3五銀と飛車を詰ます手はまったく考えていなかったので焦りました。
▲5四歩では▲6六飛が優ったようで、本譜▲5三歩は△6二玉も考えられたため危険な寄せでした。
上図以下
▲7五角△6四歩▲同 角△同 飛
▲5三角△4一玉▲6四角成△3六銀
▲7一飛△5一歩▲7三馬△2九飛
▲5九桂△4二銀▲5三金
▲7五角では▲3五飛~▲5三銀も有力で、
△5一玉▲6三金△6一銀▲5二角
△4二銀▲6一角成△4一玉
と進んできっちり寄せられるかどうかという将棋になります。
上図以下
△2四角▲4二金△同 金▲5一馬
△3二玉▲7二飛成△5二歩▲同 馬
△2五飛成▲5一銀△5二金▲同 龍
△3三玉▲3六歩△1三角
△2四角で△3一玉にも▲4二金と寄せることになります。
▲7二飛成は決めてを逃しており、▲5三銀と打っていれば寄り筋でした。
△3三玉と上部脱出をみせられて嫌な雰囲気になってきましたが、▲3六歩と手を戻したのは冷静だったと思います。
上図以下
▲2二銀△2四玉 ▲1三銀不成△同 香
▲5七角△3五桂 ▲同歩 △5六銀
▲4三龍△5七銀不成▲同金 △3三金
▲4六龍△3六銀 ▲4八桂 △2七銀打
▲4二銀不成△3七角▲3三銀不成△同 桂
▲4四銀
以下略、先手の勝ち
▲2二銀では▲4二銀不成~▲4三竜とし、次に▲3三銀打をみせたほうが明快だったようです。
本譜はまだまだ先は長いですが、▲4四銀と次に▲3四歩が受けにくく攻めをみせてなんとか勝ち切ることができました。
団体戦としては1-2で敗れてしまいましたが、優勝チームに唯一勝てたのは私だけだったのでこの誇りを胸に今後もかんばります。
0手