今回は、令和5年5月14日に紫波グリーンホテルで行われた第77回全日本アマチュア将棋名人戦岩手県大会の自戦記をお送りします。
棋力に応じてA~Dまでクラス分けされており、私が参戦したAクラスは61名が参加しました。
先手:S々木 初段
後手:つなよし
初手から以下
▲7六歩 △6二銀▲6六歩 △5四歩
▲7八飛 △5三銀▲6八銀 △3四歩
▲7五歩 △4四歩▲7四歩 △同 歩
▲同 飛 △7三歩▲7六飛 △3二銀
▲4八玉 △4三銀▲3八玉 △4五歩
▲6七銀 △4四角▲2八銀 △3三桂
▲9六歩 △2二飛▲7七桂 △7二金
▲9七角 △4二金▲5八金右 △2四歩
▲6八金上 △2五歩 ▲6五歩 △5二玉
本局は決勝トーナメント2回戦の一局。
相手は若手の有望株の1人でした。
戦型は先手の三間飛車に対し、最近好んで指しているショーダンシステムを採用。
▲5八金右~▲6八金上は里見先生が相振り飛車で時折指している「なだれ金無双」とも呼ばれている指し方。
実際に指されるのは初めてで、趣向を凝らしてきたなと感じていました。
上図以下
▲3六歩 △2六歩▲同 歩 △同 飛
▲2七歩 △2一飛▲3七桂
飛車の横利きが厄介でしたが、▲3六歩と突いてくれたため即座に飛車先交換を決行しました。
▲3七桂は▲4六歩~▲4五歩を狙っており、油断ならない手です。
上図以下
△5五歩▲4六歩 △5四銀左 ▲4五歩
△同 桂▲4六歩 △3七桂成 ▲同 銀
△5五歩では△3五歩が優りました。
▲4六歩には
△3六歩▲4五桂△同桂▲同歩
△5五桂
で△4六桂と△2八角成を見合いにして後手有望でした。
上図以下
△1五桂 ▲2八銀 △2六歩▲同 歩
△2七歩 ▲3九銀 △2六角▲2九歩
△3五歩
△1五桂は▲3九桂なら△2七桂成から千日手にする予定でした。
しかし、先手は▲2八銀と突っ張って受けてきました。
こうなると後手は引っ込みがつかなくなり、どんどん攻めていきます。
上図以下
▲4五歩 △同 銀▲3七桂 △3六銀
▲4八金 △4七歩▲同 金
▲4五歩~▲3七桂はひねり出した受け。
下図では一気に優勢に立つ好機を迎えていましたが‥
上図以下
△4七同銀成▲同 玉 △3六金 ▲5八玉
△3七角成 ▲6九玉 △1九馬 ▲7四歩
上図では取れる金を取らずに△4六歩がありました。
▲同金なら△3七角成~△2八歩成が刺さりますし、▲同飛なら本譜の攻めが飛車に当たるため技がかかっていました。
本譜は▲5八玉~▲6九玉が左辺へ逃げ込んで実戦的。
有利なことは意識していましたが、これは逆転負けをくらいそうな形だなと思っていたところで▲7四歩とかゆいところを突かれてしまいました。
上図以下
△7四同歩▲同 飛 △7三歩▲3四飛
△3一香 ▲3二歩 △同 香▲3三歩
△同 香 ▲5三角成 △同 玉▲4四銀
△6二玉 ▲3三銀成
上図では△8四桂が有力。
▲7五飛と縦に逃げてきたなら△2四飛と受ける調子です。
また、△7三歩では△7三香が玉が逃げ込むところを攻める手をみせて有力でした。
本譜は相手の狙いに乗る格好に。
△3三同香では△同金と指すのが冷静でした。
先手のパンチがどんどん入っていき、リードがどんどん溶けていく感覚がありました。
上図以下
△5二金▲5四香 △5三桂▲4三成銀
△2三角▲5二成銀 △同 玉▲3三飛成
△4二銀▲5三香成 △同 銀▲4三金
△6一玉▲5三金 △5一香▲6三金
△6二歩▲7二金 △同 玉▲6四桂
まで先手勝ち
上図では△2五角が有力でした。
実戦でも考えましたが、▲4四飛が気になって見送りました。
しかし、それには△4三歩が成立するためまだ後手が指せる形勢でした。
本譜は▲4三成銀が激痛で一気に後手玉は崩壊。
悪い予感が当たって、逆転負けとなりました。
本局の敗戦により、本大会はベスト16で終了。
今年はなかなかここより上へいけないのが辛いところです。
またがんばります。
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