今回は、令和6年1月7日にいわて将棋館で行われた第12回菅原鉄工所杯新春将棋大会の4回戦の自戦記をお送りします。
先手:T 初段
後手:つなよし
初手から以下
▲7六歩 △6二銀▲2六歩 △3二金
▲2五歩 △8四歩▲7八金 △8五歩
▲7七角 △1四歩▲6八銀 △5四歩
▲4八銀 △5三銀▲6六歩 △4一玉
▲6七銀 △3四歩▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩▲2五飛
▲2五飛は体感上▲7七桂や▲9七桂と8五の歩を狙っていく手とワンセット。
ただここに飛車がいるだけでは脅威ではないというのが個人的な見解です。
上図以下
△5五歩▲4六歩△4二銀上 ▲4七銀
△5四銀▲5八金△5二金▲1六歩
△6四歩▲2八飛△7四歩▲3六銀
△3三桂
▲3六銀の鎖鎌銀には△3三桂と受けるのが常套手段。
先手の次の一手は▲4七銀と戻ったり▲1七桂が多いのですが…
上図以下
▲2七銀 △4四歩▲2六銀 △4三銀上
▲1五歩 △同 歩▲同 銀 △同 香
▲同 香 △1三歩▲1二歩
▲2七銀~▲2六銀から棒銀に切り替えたのが珍しい応手。
端棒銀の対策がないわけではありませんが、4七の銀をここまで繰り替えてきた記憶はなく、少し動揺していました。
上図以下
△2四銀▲2七香 △1五銀 ▲2三香成
△2五香▲2二成香 △2八香成▲3二成香
△2四銀の受けに▲2七香~▲2三香成と積極的に攻めてきました。
そこで△2五香が用意の切り返しで、飛車を取って有利を意識したのですが…
上図以下
△3二同銀 ▲2三歩 △3九飛 ▲6八玉
△2九飛成▲2二歩成 △4三銀上 ▲2三と
△4二玉 ▲2二角
△3二同銀では△同玉と取る手が優りました。
本譜は▲2三歩が見落としていた好手で、▲2二歩成からどんどん手を作られていき変調を感じていました。
上図以下
△3二銀▲同 と △同 玉▲1三角成
△4三玉▲3一馬 △3五歩▲2三銀
△4二桂▲3二馬 △5三玉▲3三馬
△3二銀では△4一桂と受けておいたほうがよかったかもしれません。
△4三玉~△3五歩はなんとなく指している感が強く、▲3三馬と桂馬を引き抜かれては完全に逆転です。
上図以下
△8六歩▲同 歩 △8五歩 ▲同 歩
△7三桂 ▲4五歩 △6三玉 ▲4四歩
△9四歩 ▲5九桂 △8五桂 ▲8六角
△9七桂不成▲同 香 △8六飛 ▲8七歩
△8一飛
後手も攻め味を出していかなければならないと感じ、△8六歩と反撃に転じました。
しかし、▲4五歩~▲4四歩が厳しく、いかに粘るかという戦いになってきました。
上図以下
▲3二銀不成△8二香▲7九桂 △2五角
▲4三歩成 △同 銀 ▲6五歩 △3二銀
▲6四歩 △同 玉 ▲3二馬 △4三銀
△8二香~△2五角と手を変え品を変えで嫌味をつけていきます。
しかし、▲6五歩を急所を突いた好手で、この寄せの組み立てには感心するよりありませんでした。
上図以下
▲6五歩 △7三玉 ▲6四銀 △8三玉
▲4三馬 △同 金 ▲7三銀打 △9三玉
▲7二金 △6六歩 ▲8一金
どこかで▲3三馬と冷静に引かれていたらはっきり負けと感じていましたが、本譜は▲4三馬と踏み込んできました。
▲8一金で後手玉は受けなしですが…
上図以下
△6七歩成▲同桂左 △5八角成▲同 玉
△4八金 ▲6八玉 △5九龍▲7七玉
△9九角 ▲8八角 △6八銀▲同 金
△8八角成▲同 玉 △6八龍▲7八飛
△7九角
まで134手で後手の勝ち
△6七歩成からなんと先手玉には即詰みが生じています。
途中△4八金が秒読みの中でなんとか見つけた詰め手筋で、終盤力が低いと自負している私としては充実感が強かったです。
本局も逆転による勝利となりました。
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