【9路研究】リフティング 第1型ー1

※本記事は囲碁9路盤中国ルール・コミ7目をベースとした研究となります。
 日本ルールやコミ6目半等の場合は結論が変わる可能性があることをご了承ください。

基本図

黒3が「リフティング」と呼ばれる戦法。

白4では様々な手が有力ですが、本譜のケイマが最もよく打たれる手となります。

第1図

黒としては黒5~7と左下を囲うのが簡明かつ最有力とされている手順。

白としてはここでどう打つかでまったく異なる碁形となります。

第2図

白8~10は分かりやすい打ち方で、割とよくみかけます。

しかし、この変化は白が悪くなるというのが個人的研究で分かってきました。
その手順をみていきましょう。

第3図

黒11~白16までは妥当な進行。

ここから囲い合っていけば持碁になる可能性が高いのですが、黒から厳しい手があります。

第4図(分岐点)

黒17が白陣を乱す好手。

白には多くの応手がありますが、どれも黒が打てるとみます。
以下、A~Eの5通りの変化を精査していきます。

変化A

白18と上辺を重視するなら、黒19からのヨセが先手となります。
白22で23と打つと、黒22で打ち込んだ石が生きて白は崩壊します。

黒は先手を得たので黒25とまわることができ、地合で黒が優ります。

変化B

白18と右辺を重視すると、今度は黒19が厳しくなります。

白はBとツイでしまうと地合で負けてしまうため白20と反発したいところですが、黒21~25と捕まっている石をあえて逃げ出してから黒27と手を戻すのが妙手順。

黒は次にAとBを見合いにして黒が打てます。

変化C

素朴に白18と断点をつないではどうか?

黒は23までいったん手を戻してから黒25と再び動くのが柔軟な手順。
白30まで右上黒は生きがないのですが、白も取りきるまでははっきりしていないため黒31と詰めていけば黒が勝てそうです。

変化D

白18と開き直って右辺を囲ってどうか。

黒19のキリが強手で、黒は簡単には取られません。
黒25が冷静な好手で、AとBを見合いにして黒打てます。

変化E

最後に白18と上辺を囲ってどうかみましょう。

黒に生きはないのですが、白が取りにきたのを逆用して大胆な捨て石作戦から黒35から下辺を確定地にすればやはり黒がいいです。

結論

5つの変化をみていきましたが、いずれも黒よしとなりました。

第2図以降は白勝ちの順がみあたらず、黒勝ちとみていいでしょう。
白は8で変化するよりないとみます。

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